ロクリンシャ

三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告(公式HP:rokurinsya.wixsite.com/rokurinsya & 公式Twitter:https://twitter.com/rokurinsya007)

ロクリンシャ、それは三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告
公式HP
公式Twitter

座談会:『はじめてのピンク映画!』後編

前編はこちら。

f:id:rokurinsya:20170604222824j:image

上野の興奮も冷めやらぬ中、シネロマン池袋にやってきました。

―『強制飼育 OL肉奴隷』inシネロマン池袋―

あらすじ:TVのニュース番組は、若い男性が元交際相手へのストーカー行為で逮捕されたことを告げている―。交際を始めてから5年、フィアンセと同棲中のOL・由美子だったが、彼氏だけでは飽き足らず、社内不倫も愉しんでいる。しかし、その現場を普段から折り合いの悪い同僚の佐藤に見つけられてしまい・・・。

f:id:rokurinsya:20170604223331j:plain

近代的な上野オークラ劇場に比べると、シネロマン池袋は外観も内部も昭和の空気を残しており、長い時代を生き抜いた歴史を感じさせます。元々は日活の直営映画館だったのですが、2008年に経営撤退。それ以降は、別の会社が経営を続けているそうです。

f:id:rokurinsya:20170604223536j:image

上野と違い、こちらはイベントもないのでロビーも閑散としています。

劇場内に入ると、観客は全体で20人くらいでしょうか。大半は落ち着いて後ろの方で映画を見ていますが、おもむろに立ち上がっては周囲を物色してまわる方々も数名。私の目に映った限りでは、その場で自分を慰めだす中年男性と、老人男性2人組が互いの老人男性を口に含んでいると思しき様子が見えた以外、いたって淡々と上映時間が過ぎていきました。なお、さいとうとみつぼりはそういった光景すら目に入らなかったようです。

さいとう:すっごく、平和だったな・・・。

 

-夜。池袋の居酒屋にて-

<ピンク映画どうでした?>

さいとう:さて、ピンク映画館をハシゴしたわけですけども、どうでしたか。

いの:うーん・・・遅かれ早かれ、ピンク映画は滅ぶわ。

さいとう:まあ、そうだよなあw

みつぼり:シコるんならAVがあるしさあ。映画はあれで1800円でしょ?

いの:まあ、本来3本立てのところを、俺らは1本だけ見て出てきちゃったからさ、コスパ的には実際もう少し割安だけどね。

みつぼり:それでも、1本600円じゃん。AVだってレンタルならせいぜい300円ってとこだよ。

いの:そうだね。一般の映画とレンタルソフトの関係で言えば、劇場の大画面で体感することに意義があるからってことで、映画館代とレンタル代の差にみんな納得してると思うんだけど、ピンク映画は別に劇場の大画面で堪能しなくていいじゃん。

みつぼり:画質もショボかったなぁ、特にシネロマン池袋の方。HD画質のAVなんて今時ごろごろ転がってるんだからさ、それに対してどの要素で勝負できるんだよって話だよね。

さいとう:まず、その場で抜けないってところで、どうしてもAVよりも劣るんだよな。だから、ピンク映画館の改善点としては、その場で抜くためのバックアップ体制を強化する。

みつぼり:肘掛けのコーラ置くところの代わりにティッシュ置けますみたいな?w

さいとう:そうそう。おしぼりとかも付いてて。

みつぼり:女の子も入ってきてね。

いの:4DXじゃん。

さいとう:そこまで行くと違うサービスになっちゃうけど、家でシコれない人が、ここなら気楽にシコれるっていう場所に作り替えていった方がいいよ。

いの:それは今は、個室ビデオ店が果たしてる役割なんじゃない?

さいとう:ああー、確かにそうだなあ。

みつぼり:(ピンク映画は)消えゆくものですよ。遅かれ早かれ。というかね、AVと比べた時にワクワク感が全く無いんですよ。AVの場合は、女の反応は演技なのかもしれないし、本物なのかもしれないし、少なくとも何割かは本物の反応が混じっているかもしれないっていうワクワクがあるじゃない。

いの:それな。

みつぼり:ピンク映画の場合は、明らかにこの潮吹きは嘘で、このフェラも嘘でって分かるクオリティの低さだからさ。「これ、もしかして本気で感じてんの!?」みたいなワクワクが皆無だよね。つまんねえ作り物やってんなあと思いながら観てた。

いの:そこらへんは、今のAVがピンク映画全盛期の時代の水準と比べて、あまりに過激になってて俺らの感覚がマヒしてるところでもあるよね。ある意味、全編演技っていうのは、ピンク映画が「映画」として譲れないところとも言えるのかもしれない。

 

<【上野オークラ】1本目の映画「つちんこ」どうでした?>

さいとう:まあ・・・独特ではあったよね。舞台挨拶でも、いまおかしんじ監督の「いまおかワールド炸裂」だ、なんて言われてたけど。

いの:確かに、普通のAVでは見れない世界観ではあるけども。あれでなんちゃらワールドとか言われて褒められるんなら楽なもんだよね。支離滅裂な話を支離滅裂に撮ってりゃいいんだもん。

みつぼり:あんなん俺でも脚本書けるわ。ツイッターで宣伝見たら「摩訶不思議」とか書かれてたけどさ、便利な言葉使ってんじゃないよ!

さいとう:あれを1時間、シークバーもない劇場で観させられるのは拷問でしかないよね

いの:日活ロマンポルノと違って、金が無いのは分かるけどね。だから映像レベルが上がらないのは仕方ないけど、脚本はいくらでも練れるでしょ。観客があれで良しとしてるんだったら、ピンク映画は本当に終わりだよ。客も作り手も現状で満足してるなら、良くなる余地が無いでしょ。本来なら舞台挨拶でブーイングが起きるべきだよ

さいとう:監督も心の中ではさ、「なんだよお前ら、怒れよこんなクソ映画観せられてよ! バカな客しかいねえのか!」って思ってるかもしれないよな。

いの:何をみせてもリアクションが変わらないなら、創作意欲も死んでいくよな。

さいとう:30年前はもう少し、ちゃんと映画を志してた熱い青年だったのかもしれないけど。

みつぼり:(今岡監督)枯れてたよね。

さいとう:ふてくされてたよ。

みつぼり:出涸らしだった。

 

<【池袋シネロマン】2本目の映画「強制飼育」どうでした?>

さいとう:いやー酷い。「つちんこ」の方がまだマシだった。

いの:あんまり変わんないと思うよー。どっちもどっち。

さいとう:しょんべん飲むシーンとか必要か? ていうか、「つちんこ」もこっちも、男優の演技のレベルが酷いよな。

みつぼり:出演者は役者なの? 役者ですらないんじゃない?

さいとう:それこそ、ニコ動とかで流行ってる「真夏の夜の淫夢」系動画の男優陣と同レベルってどうなの?

みつぼり:セリフもとりあえず嚙まなければ一発OKって感じの出来だったよね。 

いの:(あのレベルの人に演技させるくらいなら)そこらへんの金に困ってる劇団員とか役者の卵とか、いくらでも安く呼べるんじゃないのって思うんだけどね。そこまでケチるんだったら映画なんて撮るんじゃないよ。森田芳光監督は実家を抵当に入れてデビュー作撮ったんだぞっていう。

 

<今後、ピンク映画はどうすればいいんでしょうね?>

さいとう:あのでっかいスクリーンで上映されてる映画より、質のいいオナネタがたくさんスマホに詰まっちゃうわけで。それどころか今やVRの時代ですよ。

みつぼり:そうだねえ。

さいとう:過去、ピンク映画やポルノ映画に素晴らしい作品があったというのは、これからも語り継いでいけばいいと思うんだけど、それとピンク映画館の灯を絶やすなって話は別でさ。やっぱり、現在のピンク映画は絶えるべくして絶えていくものだと思いますよ。

みつぼり:生き残りたいなら質上げろやとしか言えないね。

さいとう:撮っていいなら1本撮ってみたいね。300万で4日間、どうしよっかなあ。

みつぼり:今日のよりはもっといいもの撮れる自信あるわ。

さいとう:例えばさ、60年代末の日活みたいに、今大手映画会社がピンク映画に参入したら何か変わるのかね?

いの:東宝が製作して、全国のTOHOシネマズで上映とかね。それで言えば、新宿武蔵野館みたいなミニシアターで「ロマンポルノ・リブート」っていう、園子温やら行定勲やらが日活ロマンポルノ的なものを現代に蘇らせる企画をやったばっかりだけど、結局それと同じようなものが出来上がるだけじゃない? 

さいとう:文芸路線的な?

いの:そうそう。言ってみれば、今さらポルノ映画・ピンク映画の名を冠して、一般の映画会社が映画作る必然性って無いわけで、だって一般映画で過激なエロ描写なんていくらでもあるじゃん。R―18でレーティングしたら、昔なら成人映画館で過激なタイトル付けなきゃいけなかったような映画が普通に上映できちゃうわけだよ。

さいとう:ドキュメンタリーで観たけど、70年代はロマンポルノ裁判っていう、ロマンポルノは猥褻か否かみたいな裁判まであったんだから、その時代に比べたら表現の自由度が広がってるわけだよね。裁判にかけられた映画も、今観たら大したことないんだろうしね。

いの:そういう裁判も経て、当時のポルノ映画やピンク映画が切り開いてきた道ってのは確かにあって、それが今に繋がってるんだと思うけど、だからこそね、すでにその役割を果たした2017年現在にその存在意義をどう見出だせばいいのかに難渋してるわけだけどね俺達はw

 

<そろそろまとめに入りましょうか>

いの:でもね、今日いいなあと思った瞬間があってね。上野オークラ劇場の舞台挨拶で、みつぼりが2階で遭遇した人達もそれを見に来てたって言ったじゃん。

みつぼり:いたいた。

いの:映画の上映中におっぱじめてる人達が、その時だけ降りて舞台挨拶を見てるわけだよ。最後に女優さんとのじゃんけん大会をやったけど、2階にいた人が優勝してポスターをゲットしてたんだよね。劇場のアシスタントのお姉さん(このお姉さんもピンク女優)とハイタッチして嬉しそうでさ、映画なんてろくに観ちゃいないくせにさ。でもあの光景は、なんだかすごく温かいものに思えたんだよなあ

みつぼり:あー・・・。

いの:本当にただのハッテン場としてしか考えてないなら、1階に降りてくる必要なんてないんだよ。

さいとう:それは確かにそうだわ。

いの:でも舞台挨拶をちゃんと聴きに来るっていうのは、あの人達の中に上野オークラ劇場っていう場所に対するリスペクトがちゃんとあるんだなって思えたんだよね。あの劇場を必要としているからこその行動だったと思うし、誰かの大切な居場所になってるんだったら、できたら無くならないであげてほしいって思えたんだよね。

さいとう:ゲイの人の居場所ってのは分かるんだけど、じゃあ1階にいたノンケの人達はさ、何を求めて劇場に来てるんだろうね。常連っぽい感じの人とかいたもんね。

いの:時間つぶしならもっとマシなもんがあるだろうと思うけどね。

みつぼり:趣味のないやつが外でやることっていうと、パチンコとか競馬とかメダルゲームとかあるだろうに、あえてピンク映画かあ。

さいとう:普段何やってんのあの人達。

みつぼり:舞台挨拶でカメラ構えてた人達はまだ分かるんだけどね。ソフマップとかのイベントにも来るようなカメラ小僧が劇場まで追っかけて来てるんでしょ。それ以外の、ほんとにただ座って映画観てる人達はねえ、不思議だよねえ。

いの:ピンク映画全盛期からの習性で足を運んじゃう、みたいなのがあるのかな。そこでしか会えない仲間がいて、馴染みの店みたいな感じで通ってしまうのかもね。

さいとう:そういう人達にとっては、ピンク映画館が心の拠りどころになってるんだろうねえ。

いの:という感じで締めますか。誰か、他に何か言っておきたいことはある?

みつぼり:やっぱり君ら2人もさ、次は上野オークラ劇場の2階を体験してみるべきだよ。

 

ーーーー

 

さてさて、いかがでしたでしょうか。

我々3人にとっては、残念ながらあまり響かないピンク映画体験となったわけですが、ピンク映画に精通されている方々からすれば、何にも分かっちゃいないと言いたくなるような座談会だったかもしれません。気に障るようなことも喋っているかもしれません。所詮通りすがりの戯言なので、そこは大目に見ていただけると・・・と思います。

誰かにとっては取るに足らないものが、他の誰かにとっては、何物にも代えがたい宝物であることがあります。ピンク映画も、今やそういうものなのだろうと、上野オークラ劇場の舞台挨拶で、ハッテン場である2階から降りてくる人々を見た時に感じました。私とは平行線の世界にいる人々の、ここは大切な居場所なんだと思うと、どんなにろくでもない映画ばかり流していようと、必要としている人がいる限り、できれば消えないで頑張ってほしいなと、切に願うのでした。でも本当に、作り手はもうちょっと本気で映画作ろう?

 

(文責:いの)