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ロク-リンシャ

単調な日常を維持するあなたへ捧ぐほんわかマガジン

第1回 料理王は俺だ!選手権(5)

8/28 市川市 市川 みつぼり宅

 

【みつぼり:赤ワインに合う料理/料理時間21分45秒】

さいとう:それでは位置について・・・よーい、スタート!

いの:さあ始まりました。彼はいろいろな種類の食材を買い揃えたみたいですけど何を主眼に据えるのかが楽しみですね。肉をメインで行くのか、彼の得意な魚メインで行くのか。

さいとう:チョコレートとりんごも買ってますから、この辺りをどのように料理に活用していくのかにも注目です。

みつぼり:見られながら料理するってのは嫌だね~。うーし、じゃあまずはこのヒレ肉のスジっぽいところを外しながら切っていきましょう。ちょっとスジっぽい部位を買ってしまいましたので。

さいとう:与えられた状況を良いものにしようとする姿勢には好感が持てますね。

いの:すごいね。俺なんてまずどこがスジなのかがわかんない。

さいとう:いやそれくらいはわかれよ。

 

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さいとう:塩の容器に手を突っ込むのは家主の特権だな。俺らがやったらブン殴られる。

みつぼり:まあ俺は他人の家であっても容赦なく素手で行くけどな。

さいとう:うっとおしいな。

いの:でもさすが元魚屋だけに手際がいいですね~。

さいとう:ただ俺が唯一気になってんのは、材料から推測するとこいつおそらく3品作るつもりなんですよ。ちょっと時間との勝負になりそうな感はありますね。

いの:確かに。余裕出してちょいちょい洗い物しながらやってるけど、それがどう出るのか。

みつぼり:お前らは本当バカだな。衛生面にも気を配りながらやってこその料理だからな? 時間もヨユーだよ。よし、切って下味をつけた肉は冷蔵庫で冷やしながら休ませます。

 

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さいとう:あ、何あの包丁。攻撃力高いよアレ。

みつぼり:魚をカルパッチョ用に薄めに切るにはやっぱり柳刃だよね。んで、余った端材を軽く炒めたりすりゃお手軽にもう一品って寸法ですわ。

さいとう:美味そうに盛り付けてはいるけど、赤ワインに合う料理って感じはしないなあ。ただ、確実にさっきよりはまともなものが食えそうで安心ではある。

いの:さっきのはさっきので、油っぽ過ぎるなりに悪くはなかったと思うけどね。

みつぼり:ホント自分の非を認めないよねw

 

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みつぼり:・・・小せぇなあ、タコが。切りにくい。

さいとう:ちょくちょく食材に文句付けるけどアレどうにかなんないんすかね。

いの:料理をするのであれば、食材への愛がなきゃ駄目だよね。

さいとう:寿司屋とか行ってさあ、どう思う? 板前が「駄目だこのタコ。小せぇ」とかブツクサ言ってたら。

いの:それは嫌だわw そういう話でもあるねこれ。仕入れとかの舞台裏を知っている限りはやっぱり、たとえ嘘でも「この食材はすばらしい」と言って欲しい。プロとして客を騙してくれないといけないよね。

みつぼり:・・・・・・うるさっw

いの:でもまあ盛り付けはきれいですね。残り時間あと15分。

 

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いの:今度はリンゴを剥きはじめましたね。剥くのはいいんだけど、残ってる食材が板チョコとモッツァレラチーズなんだよね。

さいとう:チーズはなんとなくわからなくもないんだけど、チョコをどう活かしていくのか。しかもあんまり美味しくなさそうなリンゴなんですよね。

みつぼり:ね、色とかあんまり美味くなさそう。

さいとう:コイツはまたケチつけてますよ。

みつぼり:おい! 今のは明らかに誘導された感あるでしょ!

いの:きわどい判定ですね。それよりも俺の時に比べてハプニングが少ないのが気になります。文章にして面白いんですかね。

みつぼり:さっきので十二分だと思うので僕はちゃんとやらせていただきますよ。

さいとう:そうしてくれ。ってかずいぶん細かく切りますね。オシャンティーな切り方です。

みつぼり:合わせる酒がワインですから! オシャンティーに切りますよ。そんでもってこのチョコを・・・。

 

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みつぼり:これです(ドヤ顔)

さいとう:おっと!?

いの:え!? これ料理っていうんですか!?

さいとう:これは・・・これはどうなんだ!?

いの:素材そのものとそのものを組み合わせた何かでしかないような・・・。

みつぼり:旨み同士が出会い、混ざり合うことで複雑な味わいが産まれるんですよ。

いの:なるほど・・・?

さいとう:マリアージュ的な?

みつぼり:それです。マリアージュ・・・です。ほら、これでお手軽なデザートが出来ましたよ、と。

さいとう:これをデザートと呼ぶ神経はすごい。

みつぼり:手抜きだろうがデザートはデザートです。これも冷蔵庫で冷やしておきます。

 

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(残り時間10分) 

いの:ついに肉を焼き始めました。

さいとう:動きに迷いはありません。でもちょっとシンプル過ぎる感じはしますね。ってかコイツは確実に置きに行った料理を作ってるよね。

みつぼり:いのくんバタバタしたしさ、これでもちゃんとやろうとしてるんすよ。

 

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さいとう:手が腰にあるのが熟練感を醸し出しますね。甚平の感じも含めてうるせえ含めてジジイがやってる小料理屋みてえだな。むかつく。

みつぼり:単純に腰が悪いだけなんですけどね。

いの:台無しだw さあ残り5分!

さいとう:いよいよ時間との戦いになってきたけど、豚肉だから焦らずちゃんと焼いて欲しいですな。

いの:肉を焼きながらモッツァレラとトマトを切る! さすがの段取りです。

さいとう:大葉の緑、チーズの白、トマトの赤・・・。おい待てよ、その三色でイタリアを表現しているってこと・・・だな!

いの:なるほど!!! そういうことか!!!!

みつぼり:俺なんも言って無いんだけど勝手に補完して盛り上がるのやめてもらえません?

 

 

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さいとう:あいつ盛り方ヘタだな。しかもモッツァレラはトマトにつけるんじゃなくて肉に乗せるんだ。

いの:これは意外ですよ。味にどうでるのか。

さいとう:5・4・3・2・1・・・終了でーす!

みつぼり:よしできた! 時間ぴったし!

 

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【実食】

みつぼり:やっぱり美味しいものはあれもこれも食べたいでしょ? ということで、盛りだくさんのフルコース風のメニュー構成にしてみました。

さいとう:この刺身?みたいなのはオリーブオイルしかかかってないけど、どうやって食うの?

みつぼり:これはアレでしょ・・・わさびオリーブオイルでしょ。

いの:わさびオリーブオイル・・・?

さいとう:なんかひっかかるものはあるけど、さっきは正直食うもの何もなかったからちょっと楽しみではある。じゃあさっそくですがいただきます!

 

【1品目:チーズと豚ヒレの大葉添え~和風ドレッシングを添えて~】

さいとう:・・・・・・。

いの:・・・・・・・・・。

みつぼり・・・・・・。

さいとう:・・・・・・・・・・・・。

いの:・・・・・・・・・・・・・・・。

みつぼり・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

さいとう:・・・・・・ウン。

いの:・・・・・・・・・うん、肉は美味いよね。

さいとう:大葉と肉はうまい。完全にモッツァレラいらない。

いの:・・・うん。

みつぼり:い、いやまあ、正直このタレをつけてからが本番ですから!

 

(言われるがままタレをつけて食べてみるいのとさいとう)

 

さいとう:・・・つけて食ってもモッツァレラがいらないことには変わりない。

いの:モッツァレライラナイ。

みつぼり:なんでカタコトなの?

 

【2品目:タコのアヒージョ風】

 みつぼり:これが実は一番ウマい予感がしてる。どうぞどうぞ。

さいとう:(一口食べて)なんか生臭えな。

いの:・・・・・・・・・。

みつぼり:うそー!? ワインで流して! ワインで!!

さいとう:・・・・・・・・・。

いの:・・・・・・・・・。

みつぼり:ちょっと静かになりすぎじゃない!? 喋って喋って!? もしくはなんかBGMでもかけようか!?

いの:・・・・・・ワインがぬるい。

さいとう:う~ん。炒めるんだったらもっと炒めた方がよかったな。美味くはない。

 

【3品目:タコホタテカルパッチョ

みつぼり:これはあえて醤油を使わなかったのがミソなんですよ。素材の風味で食べさせるというか、素材そのものの味で食べさせるというか。ほら、焼き鳥も美味しい店は塩で食べるのをやたら勧めるじゃないすか。だからこれもわさびと塩でシンプルにね。

さいとう:塩味つけてないでしょ、これ?

みつぼり:海でとれたものですから。たぶん塩味するでしょ。ピリっと利いたわさびの辛味と海本来の塩気を楽しんでみて下さいよ。

さいとう:こいつむちゃくちゃ言ってんな。

いの:まあ、じゃあタコから。

さいとう:仕方ねえから俺はホタテからいただいてみます。

 

(一切れずつを口に運んで、しばし味わう二人)

 

さいとう:ガタッ(無言で立ちあがりダッシュで台所へ向かう)

みつぼり:醤油取りに行った! あいつ絶対醤油取りに行った!

いの:まあ・・・欲しいよね・・・・・・。

さいとう:(素早く着席し、見つけてきた醤油を小皿にそそぐ)

みつぼり:迅速だよね。醤油皿見つけてくるの含めて動きにムダがない。

さいとう:(醤油をつけたタコを口に運んで)あーうめーー! 醤油うめええええ!!!

いの:wwwwwwwww

みつぼり:美味しいって言ってもらえるんならこの際もうそれでいいよ。

さいとう:でも醤油つけるとあれだわ、ワインと殴り合い始めるんだよね。

いの:もうコンセプトとして敗北だよ。

 

【4品目:トマトとチーズのカプレーゼ】

さいとう:・・・・・・・トマトがぬるい。

いの:・・・・・・うん。まあ切ったトマトだよね。

 

【5品目:リンゴチョコレートデザート】

みつぼり:誰もまだ”お待ちかね”に手をつけようとしないけどそろそろデザートも行ってみてくださいよ。

いの:進んで食べたくはないっていう意思表示なんだけどね。

さいとう:だってどうやって食えばいいんすかこれ。

みつぼり:リンゴ1かけに対してチョコ2かけの割合で食べて。あとチョコを舌の上に乗せてリンゴを食べて。舌の熱で溶かしたチョコを口の中でリンゴにマリアージュするイメージで・・・。

いの:注文多すぎるw

さいとう:めんどくせえシェフだな。

 

(しぶしぶリンゴ&板チョコを口に含む)

 

いの:モッチャモッチャモッチャモッチャ

さいとう:モッチャモッチャモッチャモッチャ

みつぼり:めっちゃモッチャモッチャ言ってるw 絶対これ板チョコだw

 

(二人が咀嚼するのに約30秒のモッチャモッチャTimeが続く)

 

さいとう:お前ねえ、これ意外なまでに合わないぞマジで。

みつぼり:うっそ! リンゴの甘みに負けないビターチョコを選んでみたんだけどそこはどう?

いの:そこの選択も確実に裏目に出てるね。

さいとう:う~ん・・・例えるならねえ、田舎のキャバ嬢みたいなしつこさというか、芋っぽさがある。まずリンゴがもさっとしてるし、チョコがおそろしいまでに合わねえ。

みつぼり:(一口食べて)・・・ああ本当だ。合わねえ。美味しいモンと美味しいモンを合わせれば美味しいモンになるって訳じゃねえんだな。

いの:個人的には嫌いじゃないんだけどさ、食感含めて合ってるって感じはしないね。

 

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※途中、創意工夫に溢れた食べ方が発案されるも割愛

 

【食後】

みつぼり:僕の料理を全部食べて貰いましたが、どうでした?

さいとう:なんだろうな、いのの料理とはまた違った方向で落ち込む感じの仕上がりになったな。

いの:料理中の手さばき含めて期待値高かっただけにがっかり感がある。

さいとう:なんかもっとやれることあったはず、っていう。なんだろう、ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q』みたいな。

いの:確実にさっきより俺ら無言だもんね。ワインと合ってるかどうかで言えば・・・合ってないし。

さいとう:もうこのマズいデザートいの食っていいよ。

いの:もういいやw

みつぼり:いや取り合えよw 食後なんだから二人で取り合えw

さいとう:いらない。捨てとけよもう。

みつぼり:まださいとうくんの料理があるからその後にしとく? それまで冷蔵庫で冷やしておくね? お腹が落ち着いたら後で食べようね??

いの:聞けよw

さいとう:尋常じゃないほどの泥試合になってきたな。

みつぼり:正直申し訳ない。

さいとう:さっきいのが料理やってる時にみつぼりと二人で楽しく腐してるときは頼もしかったのに、なんだろう、RPGで強かった敵が味方になるとクソ弱くなってるあの感じにかなり近いな。ドラクエⅥのテリーみたいな。

みつぼり:刺さるなあ。

 

(つづく)