ロクリンシャ

三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告(公式HP:rokurinsya.wixsite.com/rokurinsya & 公式Twitter:https://twitter.com/rokurinsya007)

ロクリンシャ、それは三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告
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座談会:『絶対に見るべき最強の展覧会はこれだ!アートランナーが往く東京美術館マラソン2016秋』 ~宇宙と芸術展編~

企画の趣旨はイントロダクション参照。

今回は六本木最後の刺客、『宇宙と芸術展』を駆け抜けます。

エントリーNo.3『宇宙と芸術展』(森美術館

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 森美術館は、2016年7月30日(土)から2017年1月9日(月・祝)まで、「宇宙と芸術展」を開催します。 宇宙は古来、人間にとって永遠の関心事であり、また信仰と研究の対象として、世界各地の芸術の中で表現され、多くの物語を生み出してきました。本展では、隕石や化石、ダ・ヴィンチガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」、そして現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西ジャンルを超えた多様な出展物約200点を一挙公開。「人は宇宙をどう見てきたか?」、「宇宙という時空間」、「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」、「宇宙旅行と人間の未来」の4つのセクションで構成し、未来に向かっての新たな宇宙観、人間観を提示することを試みます。2016年夏、六本木を宇宙の入り口として「私たちはどこから来てどこへ向かうのか」を探る旅となる本展にご期待ください。

公式サイトより)

13時頃 森ビルエレベーターにて

さいとう:ここの展示の予習は全然してないけど、一体どんな展示が見れるの? なんかテーマが漠然としてるんだけど。

いの:実は俺、1回来てるから知ってるんだけどさ。

さいとう:は?マジで?

みつぼり:2回来たいくらい良かったの?

いの:感想については、先入観与えたくないからね。まだ言わないでおきます。

 

 ~1時間ほどで展覧会を見終え、感想タイム突入~

 

みつぼり:えー、だいぶ時間が押してるので、上野に向かう電車の中ですが、感想戦やりましょう。まずいのくんから。

いの:はっきり言ってハズレだと思う。

みつぼり:2回見に行ったのに?

いの:べつにオススメしたくて今回の候補に入れたわけじゃないけど・・・このがっかり感を共有したかったというか。いや、俺ももっと楽しいものが見れると思ったんだよね、最初は。コンセプト的にはそそられるじゃん。宇宙みんな好きでしょ? でもさあ、いくらなんでもごった煮すぎません? 何を観せたかったのか全然みえてこない。途中、アートでもなんでもないただのガガーリンの写真とかあるじゃん。

みつぼり:あったね(笑)

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いの:宇宙開発の歴史について学ぼうってのならいいけど、そういう流れもくそもなくただ写真だけポンと置かれてもさあ。途中にあった中途半端な宇宙人コーナーみたいなのも、例えばさ、「人類は宇宙人をどうイメージしてきたのか」みたいなものを体系的に見せてくれれば、きっと興味深い展示になったと思うよ。内情は知らないけどさ、森美術館の担当者のみなさんが、「宇宙」ってでっかいお題だけ渡されて、各々「俺はこれやりたい」「私はこれ」みたいな感じで、好き勝手に収集したものを筋道立てずにそのまま見せられた感じ。

さいとう:そうだね。

いの:まああとは、初回に行ったときに調整中で見れなかったチームラボの展示が観れて、すっきりしたなと。腐すにしても目玉展示を見ずにというわけにもいかないので。

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みつぼり:あのゲームラボってのは有名な何かなの?

いの:それはゲーム雑誌ね。チームラボは、クリエイター集団みたいな人たちの会社で、こういう展覧会以外にも、イベントの舞台演出とか、神社のライトアップ手がけたりとか、子どもが気軽にアートと触れ合える企画なんかをやったりしてるとこ。

みつぼり:ちょっと前に、渋谷で岡本太郎の絵にらくがきしてた集団?

いの:あれは Chim↑Pom(ちんぽむ)。

みつぼり:あー、それそれ。久々に聞いたよ。

さいとう:カオス*ラウンジではなくて。

いの:カオス*ラウンジではない(笑) まあとにかく、チームラボの展示も含めて、期待外れな展覧会だったなあというのが率直なところです。次はみつぼり?

みつぼり:僕もいのくんと意見はほぼ同じ。観るべきところが無いってのが正直なところで、コンセプトに対する掘り下げがやっぱり弱い。でも一応は、ひとつひとつの物は良い物を置いてるんだろうという目で途中まで見てたんだけど、冷静になってみると、現代の画家さんの絵や立体物が、果たしてああいう場を貸し切って観せるほどの物を出してるのかっていう気持ちになっちゃって。もちろん、森美術館自体そういう、まだ価値の定まってないような先鋭的なアートを展示するのを強みとしているのは分かるんだけど。でも美術館の展示としてさ、例えばレオナルド・ダ・ヴィンチ天文学の理論の本があったけど、中身に触れるわけでもなく、ページ開いて「これがダ・ヴィンチ天文学の本です」で終わりじゃ、それは手抜きでしょ。

いの:うつろ舟(※江戸時代、茨城県の海岸で目撃されたと言われる、UFOのような謎の物体)の展示も、目玉展示のひとつだろうに、いい加減だったよね。

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みつぼり:あれも、裏打ちをするような資料とか文献とか、何も明示してないし置いてないわけだから、はっきり言って『ムー』を飾ってるようなもんであって。

いの:断片的なイメージの連続で、その先の知的好奇心を満たそうって需要に答えてくれないんだよね。家でディスカバリーチャンネル観てた方が良かった。

みつぼり:江戸時代の出版物から図版持ってきてるんだからさ、絵と一緒に書かれてる解説の現代語訳でも横に並べるくらいしないといけないでしょ。やっぱり企画倒れですよねーっていう。金払って行くもんじゃねえや。

いの:1600円は払えないよね。

さいとう:いや、お前は合わせて3400円あの展示に払ってるんだよな(笑)

いの:まあ、そうね(笑)

みつぼり:さいとうくんはどうだった?

さいとう:まあ、とっちらかり方は言わずもがなというか、文化祭か秘宝館みたい。ポイントポイントでテンション上がる展示はあったけどね。

みつぼり:たとえば?

さいとう:いや、もう完全に、流星刀なんだけど。

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 ※明治時代、榎本武揚の依頼により、富山県に落下した隕石を刀工の岡吉国宗が日本刀に加工したもの。2本作られた長刀のうちもう1本は、当時の皇太子(後の大正天皇)に献上された。

いの:俺もあれは良かった(笑) 榎本武揚にはロマンがあるよね。

さいとう:あと、でっかい日時計みたいなやつ(コンラッドショウクロスの「タイムピース」)、俺あれ10分くらい見てた。

いの:あれ良いかなあ。

さいとう:楽しかったよ。ボケーっと見れて。あと楽しかったのは、昔のアメコミの火星人襲来みたいなイラストに書かれた、荒俣宏の解説だとか。

みつぼり:確かに単体としては面白いかもしれないけどさー。あれがどこか地方でさ、福島市のUFOふれあい館みたいなところでやるならいいのかもしれないけどさ、六本木の一等地で1600円払って見るもんじゃないでしょ。

さいとう:そういう意味では、今回の5件の展覧会をまわる上で、ちょうど中間の箸休め的な感じで良かったんじゃないの。1600円は許さないけど。

いの:まあ、最後にひとつ擁護しておくとさ、森美術館自体は、結構好きな美術館ではあるんですよ。何度か足を運んでるんだけど、2012年の会田誠展とか、2015年のディン・Q・レ展とか、間違いなく良かった。図録買っちゃったし。同時に今回と同じくらい、何も得られず終わるような展覧会に出くわすことも少なくないけど。それでも懲りずにまた観に行ってしまうのは、テーマ設定が毎回バラエティ豊かで面白そうに見せてくるんだよね。美術館の出口に過去の展覧会のポスター飾ってあるけど、これ見てみたかったなぁって思うのいっぱいあるもんね。

みつぼり:ジャケ買いみたいなもんですね。

いの:そうそう(笑)ジャケ買いしたくなる美術館。

 

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 ※ 『宇宙と芸術展』 は一部撮影OKの展示がありましたので、その 展示物の中から写真を掲載させて頂いております。

(文責:いの)

座談会:『絶対に見るべき最強の展覧会はこれだ!アートランナーが往く東京美術館マラソン2016秋』 ~ダリ展、鈴木其一展編~

企画の趣旨はイントロダクション参照。

今回は『ダリ展』(国立新美術館)と『鈴木基一 江戸琳派の旗手』(サントリー美術館)を駆け抜けます。

 

エントリーNo.1『ダリ展』(国立新美術館

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 スペインに生まれたサルバドール・ダリ(1904年-89年)は、もっとも有名な20世紀の芸術家の一人です。1929年に彗星のようにパリの美術界に登場し、シュルレアリスムを代表する画家として活躍しますが、やがてアメリカに進出、大きな成功と人気を獲得します。その一方で、映画や演劇、ファッションなどの異分野へも積極的に参画して、ウォルト・ディズニーやエルザ・スキャパレリなどとコラボレーションを行い、次々と著作を発表して、ジャーナリズムやメディアにも盛んに登場しました。芸術と芸術家のあり方を変革したダリは、まさに現代美術の先駆者の一人ということができるでしょう。本展は、ガラ=サルバドール・ダリ財団(フィゲラス)、サルバドール・ダリ美術館(フロリダ州セント・ピーターズバーグ)、国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)という世界の3つの主要なダリ・コレクションから招来される作品を中心に、国内所蔵の重要作品を加えて、約250点によって多面的なダリの世界を紹介する、日本では約10年ぶりとなる本格的な回顧展です。 

公式サイトより)

10月9日9時30分。乃木坂駅

すでに駅構内まで、開場を待つ人の列が伸びていた。

さいとう:今日、17時30分までに5か所まわるんだよな? 移動時間も考えると、1か所につき1時間ちょっとくらい?相当きつくない?

みつぼり:1時間そこらでダリ見ようとしてる人間、ここにいる中で俺ら以外いねえぞマジで。

いの:まあ、東京国立博物館の平安の秘仏展(エントリーNo.4)なんかは1時間もかからないだろうから、そこらへんで上手いこと時間調整しましょうや。

さいとう:そんなこと言ってみつぼりが仏像にドはまりしたらどうすんだよ。

いの:みつぼりくん、仏像みたいな頭(坊主)してるもんね。

みつぼり:毎回仕上げてくるからね俺は。いや、昨日さ、職場の人に「みつぼり君週末なんかあるの」って聞かれたから、「美術館行くんすよ。ダリ展と、あと鈴木とぉ~、宇宙とぉ~」って言ったら、「3件も!?」って返されて、「いや、5件です」って。

さいとう:www

いの:www

みつぼり:「5件は・・・無いんじゃないかなぁ」って真剣に言われて。

さいとう:前代未聞でしょ。

いの:まあ、詰め込むからこそ見えてくるものがあるかもしれないよ? じゃあ、列に並んでる間にさ、それぞれの美術館歴というか、アート体験歴というか、そういうのを一度確認しておかない?

 

【アートランナーその1 さいとう】

今回のランナーの中で最も美術館と縁遠い。

中学の頃の夏休みの宿題で、上野の美術館の常設展に嫌々行ったくらい。あとは大学時代のアルフォンス・ミュシャ展と、先日アニメの原画展に行った程度くらいにしか興味がない。

ギャラリーフェイク』の熱心な読者であり、『なんでも鑑定団』の熱心な視聴者である強みを生かすことができるか要注目。

【アートランナーその2 みつぼり】

美術館といえばデートスポット。女がいた頃はしばしば足を運んでいた。美術品と対峙した時は、細かいことは分からないので、「好き・嫌い」「上手い・下手」という野性的な感覚に任せて鑑賞している。

【アートランナーその3 いの】

なんだかんだで美術館には比較的足を運ぶ。難しいことはよく分かっていないエンジョイ勢。

大学時代に評論や現代思想的なところに手を突っ込みかけてすぐ止めたので、現代アート的なところに多少の関心があるらしいが、貧困層の出自であるためか、どこか自分の居場所が美術館という場所には無いような感覚を持っているらしい。

 

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 (そうこうしているうちに、券売所まで到着)

 

さいとう:ダリ3枚!

いの:なんか、さいとうが言うと居酒屋の注文みたいwww 

さいとう:なんでだよ、合ってるだろダリ3枚で!

みつぼり:それ以外に無いけど、言い方の勢いがさw で、会場に入ったらどうするの? 自由行動?

いの:各会場内では自由行動で、見終わったら集まってその展覧会の感想を発表し合う、というのでどうでしょう。

さいとう:よし、それでいこうそれで!

 

~1時間半ほどで展覧会を見終え、感想タイム突入~

 

いの:さて、まずは最初の展覧会でございましたが、どうだったっすかね。まとまってなくていいから、ファーストインプレッションとして感じたところを語ってみてください。

みつぼり:じゃあ俺から言っていい? あんまり楽しめなかったってのが正直なところかなー。やっぱり現代芸術だからさ、読み解かれるために描かれてるじゃない。絵一枚見せられても完結しないんだよね。その作品を読み解くって力が僕には足りなくって、書かれてる解説を読んでやっと輪郭が見えてくるんだけど、絵そのものの魅力で圧倒されるようなものじゃなかった。だから、ピンとこなかったんだよね。印象に残ってるのは、ダリと猫と椅子が宙に浮いてる写真なんだけど・・・。

いの:俺もそれ好き。

みつぼり:あれがいいと思っちゃったんだよ俺も。でもあれはたぶんダリという作家の本筋の作品じゃないだろうなと思った時に、自分の好きな画家ではないんだろうなあと思ってしまったんだよね。第一印象としてはそんな感じかな。いの君は?

いの:俺はねー、劇団イヌカレーを思い出した

みつぼり:なんだっけ、『魔法少女まどか☆マギカ』だっけ。

いの:そうそう。まどマギで異空間のデザインをやってた人たちね。ああいう世界観に通じる絵がいくつもあって、受け継がれているものを感じた。ダリ展のメインのひとつ「奇妙なものたち」(公式サイトで見れます)って絵なんかはイヌカレー色濃いよね。

みつぼり:言われてみればそうかもな。途中にあったラフスケッチみたいなので、女の人の頭がたんぽぽになってる絵とかね。 

いの:あとはねー、ダリの奥さんのガラさん。色んな絵の中に描かれているんだけど、これってダリファン的にはどう映ってるんだろうっていう。要は、ジョン・レノンにとってのオノ・ヨーコみたいに、ジョンのアルバムの中にヨーコの曲が入ってるの邪魔なんだけどみたいな。

みつぼり:ふふっ。

いの:芸術家にとってのミューズがファンにとってのミューズとは限らんぞと。そこらへんをダリファンはどう受け止めてるんだろうってのは気になった。

みつぼり:こんなブス描いてんじゃねえよっていう。

いの:そうそう。あとはねー、好きな絵について話そうか。戦後にダリが原子物理学に興味を持った時期の絵が良くてさ。特に「ラファエロの聖母の最高速度」(公式サイトで見れます)、これ好き!

さいとう:タイトルいかしてるよな。

いの:うん、平沢進の曲名みたいでいかしてる。なんだろうね、こういうレトロなコンピューターワールド感が性癖としてグッとくるんだよね。アートと科学の融合みたいなのって萌えるんすよ。

さいとう:昔のテクノのPVみたいな。

いの:あー、まさしくそんな感じ。『世界タービン』みたいな感じ。

みつぼり:シンディー・ローパーのPVみたいな。

いの:どんなんだっけ(笑)

みつぼり:『ハイスクールはダンステリア』のPVの、1分30秒あたりからの一連のところ。

いの:ああーなるほど、この当時の最先端技術を手に入れて、はしゃいじゃってる感じいいね(笑)

さいとう:あとは何かある?

いの:ダリって人の人物像にもう少し迫ってほしかったかな。エピソードには事欠かない人なんだろうからさ。同時代を生きていた人からすれば、世間を賑わす芸術家として、ゴシップ的なところ、パフォーマンス的なところ含めてのダリだったんだと思う。事前にちょっと予習してきた中で面白いと思ったのが、ダリってヒトラー支持者だったらしいんだよね。

みつぼり:へー、そうなん?

いの:どこまで本気だったのか分からないけどね。周りがアンチヒトラーの中で逆張りして目立ちたかっただけなのかもしれないし。このあたり掘り下げたら面白い気がするし、実際ヒトラー関連の絵も描いてたりするんだけど、展覧会では全く触れられてなかったよね。

みつぼり:無かったよな。

いの:1点も無かったのはちょっとね、肩透かしだった。

みつぼり:いの君的にダリ展はよかった?

いの:どっちかといえばイマイチ寄りかな。事前のネットでの予習と、生で絵を見た時の感動に差が無かったんだよね。確かに面白い絵はたくさんあるんだけど、直接展覧会で見ることによる発見は少なかったなあ。はい、じゃあ最後にさいとう君。

さいとう:俺はけっこう楽しかったよ。ポストカード買っちゃったしね。いのはネットの画像で見ても生で見ても同じって言ってたけど、やっぱり間近で見ると絵の具の重ね方とかがよく見えて、「こんな風に描いてんだ」ってのが分かるし。絵に込められた意味は分かったり分かんなかったりだけど、分かんなくても目を引くものを描いてると思うし、だからこんなに人気があるんじゃないの? パッと見て、「うわっ、なんか変だし気持ち悪いけど、面白い!」っていうコマーシャリズムがあって、だからこそ商業的にも成功したんだろうなとは思った。

みつぼり:アクセサリー作ってたりとかな。

いの:ディズニーと組んだりアルフレッド・ヒッチコックと組んだり、フットワークが軽いよね。

さいとう:あとねー、美術館ってさ、周りの人が話してるの聞くのが結構面白いよね。

みつぼり:それはある。

いの:美術館でしか出会えない人種がいるよね。

さいとう:こいつムカつくこと言ってんなーとか、見た目からして凄いのいるなーとかさ。人間観察が楽しい。

みつぼり:そういえば思い出したんだけど、前職の関係で千葉県の君津市にいた時、「ダリ」って名前の飯屋に行ってさ、壁一面にダリの顔写真がバンバン飾ってあんの。

いの:きっついなあ。

みつぼり:飯食ってる間、ずっとダリが変顔してこっち見てくんの。しかも君津とかいうクソ田舎のくせにチャージ料ちゃっかり取ってくるしさ。

さいとう:どんな飯が出てくんの?

みつぼり:いやもう普通のピッツァとかパスタとかですよ。

いの:ダリなのにスペイン料理ではないんだ?(笑)

みつぼり:スペイン料理ではなかったよ。

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エントリーNo.2 『鈴木其一 江戸琳派の旗手』(サントリー美術館

鈴木其一(すずききいつ・1796~1858)は江戸時代後期に、江戸琳派の優美な画風を基盤にしながら、斬新で独創的な作品を描いた画家として近年大きな注目を集めています。その其一の画業の全容を捉え、豊穣な魅力を伝える初の大回顧展を開催します。
江戸時代初期の京都で俵屋宗達(たわらやそうたつ・17世紀前期に活躍)が創始した琳派は、尾形光琳(おがたこうりん・1658~1716)により、さまざまな流派が活躍した江戸時代絵画の中で最も華麗な装飾様式として確立されました。光琳が活躍した時期の約100年後に、江戸の地で琳派の再興を図ったのが酒井抱一(さかいほういつ・1761~1828)です。抱一は京都の琳派様式からさらに写実的で洗練された画風を描くようになり、その新様式はのちに、京都に対して「江戸琳派」と呼ばれています。
そのような江戸琳派の祖・抱一の一番弟子が其一です。其一は寛政8年(1796)、江戸中橋に誕生しました。文化10年(1813)、数え年18歳で抱一に入門。4年後に兄弟子で姫路藩酒井家家臣の鈴木蠣潭(すずきれいたん・1792~1817)の急死を受け、養子に入り鈴木家の家督を継ぎました。
文政11年(1828)、其一33歳の時に抱一が没して以降は、一門の中でも圧倒的な存在感を示し、その作風は次第に師風を超え、幕末期にかけて大きく変容を遂げます。とくに30代半ばから40代半ばにかけてはダイナミックな構成や明快な色彩を多用し、新たな其一様式が築かれました。さらに晩年にはより挑戦的で自由な作風を開き、近代を予告するような清新な作品も少なくありません。
このように、抱一の実質的な後継者としての自負、光琳に連なる琳派画家としての誇り、さらに酒井家家臣という立場が上質で機智に富む画風を育み、多くの其一画が大名家や豪商の厚い支持を得ました。
本展では抱一画風を習得する門弟時代、躍動感溢れる作風を次々と手掛けた壮年期、息子・守一(しゅいつ)に家督を譲った晩年と、其一の生涯と画風の変遷を丁寧に追います。また其一は多くの弟子を育成して江戸琳派の存続に大きく貢献しており、近代まで続くその系譜も辿ります。まさに「江戸琳派の旗手」として目覚ましい活躍をみせた其一。広く知られた其一の名品や新出作品など、国内外からかつてない規模で作品が一堂に揃うこの展覧会は、江戸の画壇を豊かに彩った其一画の魅力とその展開を、存分に堪能していただける貴重な機会となります。

公式サイトより)

11時半頃 サントリー美術館へ向かう道中

みつぼり:ところでいのくん、琳派って何?

いの:なんか、琳派の「琳」は尾形光琳の「琳」らしいんだけど。元々、江戸時代のはじめに、大阪で尾形光琳琳派を作り上げて、それを鈴木其一の師匠、酒井抱一が江戸に持ってきたらしいんだよね。

みつぼり:もう琳派って聞くとリンパマッサージのエッチなイメージしか湧かないんだけど。

さいとう:そもそもリンパマッサージは別にエッチなものじゃないからな。

いの:で、その琳派が・・・。

みつぼり:ごめん、江戸琳派って言ってもらっていい?どうしてもハゲのおっさんしか浮かんでこないんだよねw

いの:SODの見過ぎでしょ・・・。で、その江戸琳派の第一人者の一番弟子が、今回の鈴木其一さんなわけですね。

さいとう:あまり名前聞かないよね。

いの:俺もはじめて聞いた。

みつぼり:尾形光琳ってのはそもそもどんな絵を描く人なの?

さいとう:獅子っぽいの描いてなかった?(※たぶん狩野永徳の「唐獅子図」)

いの:それはたぶん違う人かな? この絵見たことない?(手元の本から「燕子花図」を見せる)

さいとう:ああ、見たことある。

みつぼり:この人がリンパの伝道師なんだ。

さいとう:(無視して)屏風画みたいな感じね。

いの:そんな感じそんな感じ。

みつぼり:サントリー美術館ってのははじめて聞いたんだけど、なに、プレモルとか買えんの?

さいとう:サーバー背負った姉ちゃんが館内歩いてるんじゃない?w

 

(軽く道に迷って東京ミッドタウンに到着)

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みつぼり:こんなきらびやかな場所でGAPのパーカー着てるの俺ぐらいなんだけど。

いの:完全に俺らの居場所ではないよねここは。

さいとう:(「虎屋」で和菓子を買って)東京ミッドタウンのポイントカードはお持ちですかって聞かれたけど、こいつぜってえ持ってるわけねえって分かって言ってきてるもん。

みつぼり:間違いないね。

いの:はい、着きました。サントリー美術館です。

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みつぼり:渋み。

さいとう:渋みあるねー。

みつぼり :鈴木其一スマホカバーとかあったらお揃いで買っちゃう?w

さいとう:不思議なこと言うなよ。

いの:よし、ほんじゃいきますよ~。

 

 ~1時間ほどで展覧会を見終え、感想タイム突入~

 

いの:さてさて、いかがでしたでしょう。ダリ展と逆の順で発表しましょう。

さいとう:俺は・・・あんまり面白くなかったね。なんだろ、絵の余白の多い構図とかさ、省略された描き方とか、そういうのが見てて好きだと思えなかったんだよね。人や動物の目なんかもすごい簡単に描かれてるじゃん。そういう省略こそがワビサビなのかもしれないけど、それが分かるにはまだ修行が足りなかったかなあ。

みつぼり:出た後に「はぁ~」ってため息ついてたもんね、さいとうくん。

さいとう:客層もね、品のいい方々ばっかりで、そういうのにやられちゃったみたいなところもあるよね。

みつぼり:いのくんは?

いの:思った以上に楽しめた。

さいとう:へぇ~。

いの:それこそ、花鳥風月みたいな、掛け軸で飾られようなる格式の高い感じのものばっかりだと思ってたんだだよね。でも実際に見てみたらさ、羽子板とか凧とか絵馬とか、そういう日常に紐づいた色んな媒体で創作がされてて、思った以上にカジュアルなものだったんだってのが分かって面白かった。これだけバラエティ豊かな媒体で描かれてる楽しさは、ネットで画像拾っただけじゃ分からないよね。屏風絵の立体感とか、平面の絵で見せられても全然気づけないところだからさ。美術館で見る意味がある展示だったと思う。

さいとう:なるほど。みつぼりは?

みつぼり:俺はもう、めっちゃくちゃ良かったです。一人でもう一回行ってもいいくらい。

いの:おお~。

みつぼり:さいとうの言うように確かに日本画として簡略化されてるんだけど、でもこれはすげえ観察してないと描けねえよなって思う部分がいっぱいあってさ。藤の花の絵の色使いなんか見ても、これは花をよく知らないと描けないと思ったし、動物の絵の細部を見てても、ああこの人は本当に生き物が好きなんだなって。どれだけ盛り込めるか、どれだけ削いで見せたいものを見せるかっていうのがハッキリしてるんだよね。あとはね、代表作の「朝顔図屏風」なんかもそうだけど、ああやって照明落として見ると、金屏風ってのはあんなに映えてさ、朝顔のひとつでも立ち上がらせてくれるんだなぁ、すげえって思ってね、本当に良かったです。

いの:「朝顔図屏風」のとこで、聞きたいって言うから俺の買った音声ガイド聞いてたよね。どうだった?

みつぼり:うるせえって思った。

さいとう:なんで(笑)

みつぼり:小賢しいって。狩野派に影響を受けて云々とか知らんと。

いの:まあ、音声ガイドは基本そういうものだから(笑)

みつぼり:あとはね、解説文にも書かれてたけど、芸術として高めてる一方で、当時の貴族とか大名とか豪商向けに売る縁起物とかさ、アートとして作ったものから落として描いてるようなところも含めて、大衆芸術なんだなってのも分かって、面白かったですね僕は。途中からリンパマッサージとか言って茶化す気持ちが失せたよね。

いの:水の表現がすごい好き。

みつぼり:ああー、いいね。

いの:躍動感が伝わるんだけど、同時にそこにずっと滞留しているような感じ。日本画って永遠とか無限とか、そういうものを絵の中に落とし込もうとしてるのかなぁというのは凄く思った。

さいとう:やっぱり仏教の影響からなのかね。

いの:ベースはそこなのかもね。

みつぼり:もうなんかね、日本画こんな素晴らしいなら、春にやってた伊藤若冲展にも、なんで俺行かなかったのかなーって。

いの:死ぬほど混んでて人の頭しか見られなかったらしいけどね、あれは。

 

※『鈴木其一 江戸琳派の旗手』は、東京での展覧会は終了しましたが、2016年11月12日から姫路市立美術館、2017年1月3日からは京都府細見美術館に巡回します。

 

(文責:いの)

座談会:『絶対に見るべき最強の展覧会はこれだ! アートランナーが往く東京美術館マラソン2016秋』 イントロダクション

タイトルには秋とありますが、もう冬ですね。こんにちは、いのです。

前回の料理対決回担当者が、収録から3か月も更新しないという体たらくだったおかげで、秋の鳴り物入り企画だったはずの本記事も後ろ倒しで気付けば12月の更新ですよ。 

 

というわけで、前回の料理対決で、惜しくも最下位だった僕が今月の企画を練ることになりました。

その際提示された条件が「アカデミックな企画」であること。

料理対決回の最もアカデミックな要素がウィキペディアの朗読だったことからも、ロクリンシャのアカデミズムはたかが知れていることはお分かりでしょう。

僕たちは認めなければいけない。

下賤の生まれで無教養、知識人を鼻で笑って留飲を下げる反知性主義者、上手い・ヘタ、かっこいい・ダサい、シコれる・シコれない、そんな判断基準しか持ち合わせることのできないボンクラ集団。それがロクリンシャであると。

そんな僕たちがアカデミズムに近づくためには、問題児が戸塚ヨットスクールに放り込まれるが如く、荒波に身を投じなければなりません。

長い歳月をかけて教養を積み重ねている人々のように、優雅にしてはいられないのです。

知性の先にある何かに追いつくために、ひたすらに走って走って、走らなければならない。

僕たちは街へ繰り出しました。

 

ロクリンシャ座談会第5回のテーマは、『アート』。

1日に5つの展覧会をはしごするショック療法で、ボンクラ鑑賞法から脱却し、真にアートを楽しめる教養人を目指します。

昼となく夜となく展覧会を駆け抜ける、"アートランナー"の誕生です

 

ルール説明

・5つの展覧会を順にまわり、最後に3人それぞれ良かった順にランキングを発表。

・得点は、1位が5点、2位が4点、3位が3点、4位が2点、5位が1点となります。

・合計で最も高得点を獲得した展覧会が、2016年秋最強の展覧会の王座に君臨することができます。

 

 課題図書 

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

西洋美術史入門 (ちくまプリマー新書)

 
巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)

巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)

 

以上2冊を読んで、芸術を鑑賞するための頭のストレッチをしておくことを事前課題としています。

 

それでは、今回選出された5つの展覧会を紹介!

この秋最強の名を欲しいものにするのは、いったいどの展覧会なのか!?

続きを読む

第1回 料理王は俺だ!選手権(7)【結果発表/まとめ・蛇足編】

8/28 市川市 市川 みつぼり宅

 

いの:じゃあそろそろ、結果発表する?

みつぼり:しますか。じゃあだいぶ酔っぱらっちゃってるいのくんのために一応企画の確認をするけど、トップはロクリンシャ料理王の称号と、副賞として今回の料理代金の全額返金。んで、ビリは次回の企画を考える、ってことでいいね?

さいとう:あと審査方法だけど、そもそもの予算の違いがありすぎるから、料理の数によってデカすぎる差が出ないようにって意味で、全料理の平均点をとってそれを各人の得点とします。いいね?

いの:大丈夫です。

 

そして気になる結果は以下の通り!!!!!!!

【結果発表】

《いの》 全2品

・バナナのベーコン巻き

<さいとう3点/みつぼり3点>

・豆腐のチーズのせ

<さいとう1点/みつぼり1点>

いの料理長の得点平均計 2点/10点

 

《みつぼり》 全5品

タコのアヒージョ風

<さいとう4点/いの7点>

タコホタテカルパッチョ

<さいとう1点/いの2点>

・トマトとチーズのカプレーゼ

<さいとう0点/いの2点>

・チーズと豚ヒレの大葉添え~和風ドレッシングを添えて~

<さいとう6点/いの4点>

・リンゴチョコレートデザート

<さいとう0点/いの3点>

みつぼり料理長の得点平均計 4点/10点

 

《さいとう》 全5品

・秋ナスとしょうがのマリアージュ~ごまのドレスを纏って~

<みつぼり6点/いの5点>

・鉄火巻きライト

<みつぼり5点/いの6点>

・アスパラとうなぎの炒め物

<みつぼり4点/いの5点>

・赤ちゃんせんべいの面汚し

<みつぼり8点/いの3点>

・塩辛のクリームチーズプレイ

<みつぼり5点/いの4点>

 ・さいとうくんの割り箸

<みつぼり2点>

さいとう料理長の得点平均計 6.5点/10点

 

みつぼり:えー、 という訳で、第1回”ロクリンシャの料理王は俺だ!選手権 ~お酒に合う料理編~”の優勝者はさいとうくんに決定でーす!

さいとう:ありがとうございます、ありがとうございます。ただまあ、順位がきれいに金額順になったというのは、少しモヤっとしたものを残す感じにはなりましたなあ。

いの:さいとうさん、いまのお気持ちは?

さいとう:みんなそうだと思いますけど、私も悔いが残る戦いとなったので、第2回というものがあったなら、ディフェンディング・チャンピオンとして再び腕をふるわせていただきます。

みつぼり:そのときは俺もいのくんもそれぞれ刺客を送り込む所存でおりますので、覚悟しておいて下さいよ。

さいとう:望むところですよ。

 

 ―――――――

 

 というような具合で、今回の料理対決は幕を閉じました。この後しばらくは出口の見えないいのくん盲目的な恋バナに耳を傾けたり、懐かしのスーファミマリオカートやら同じくスーファミ美少女戦士セーラームーンの横スクロールゲーに熱中したり、いのくんが帰ったあとにさいとうくんと二人、バーで反省会を執り行ったりしました。三人とも社会人にもなってなにやってんすかね。文章に起こすと楽しそうではありますが、くだらないですね。

 今回の料理会を通じて僕個人として感じたことは、たとえどんなクソマズgero料理であっても、仲間と食ってると楽しくはあるっていう、まあ本当通り一遍の”そら当たり前ですよそんなの”式の結論でした。社会人になって、一人暮らしをはじめて早4年半。前職が食材を扱う会社に勤めていたという関係もあって、現代の日本人として普通に生活するなかで口にできる大方のうまいものは食べた気になっており、いつしか食べることは好きなんだけど、食で心を動かされたりすることとか、そういや最近ないよなあとか感じるようになっておりました。何を食べるかっていうよりも、誰と食べるかというのは、食事を楽しむ上で本当に大きい要因なんだなあと改めて感じます。食事ってコミュニケーションなのかなあなどと、思い直しました。一人で夕飯をとるときも、以前より自分が何を食べたいと思っているか、ちょっと考えてみたりとかするようになりました。前はそんなこと気に留めなかったんですけどね。とりあえず財布にお金が入っているか確認して、それから目に付いた具合の良さそうな店屋に入って、自分の好きそうなものを注文して、本かスマホをひらいて、メシがきたら口に運ぶっていう、神経反応だけで飯喰ってるような感覚の日もあったんですけど、今は夕飯だけでもちゃんといま、なにを食べたいのか、ちょっと時間をとってでも考えてみることにしています。これもひとつのコミュニケーションというか、自分との会話のような気がしています。ご飯が美味しいと思えることを大切に思って、もうちょっと生きて行こうと思います。どやええ話やろ! おわり!

 

(文責・みつぼり)

 

第1回 料理王は俺だ!選手権(6)

8/28 市川市 市川 みつぼり宅

 

【さいとう:日本酒に合う料理/料理時間21分07秒】

みつぼり:よーい・・・スタート!

いの:さあ始まりました。さいとうくん、まずはナスを慣れた手つきで切っていく!

みつぼり:・・・そういや急にいま思い出したんだけど、居酒屋で確認してたいのくんの「ピーラーある?」ってあれ何だったの?w

さいとう:やめろ手元が乱れるw

いの:忘れたけどなんか恥ずかしいw

 

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※調理前、部屋にあった快楽天を読んで士気を高めるさいとう・いの両氏

 

みつぼり:”料理は引き算”というのがさいとうくんの持論だけど、果たして今回はどうなんでしょうか。

いの:ごま油の良い香りがするね。これだけで加点したい。

さいとう:匂いを君たちねぇ、無視しすぎなんですよ。

みつぼり:うるさっ。褒めるとうるさっw

いの:ここで期待感を高めていくという、高度なテクニックですね。

さいとう:そうそうそう。はい、いのこれ捨てて(ゴミになったナスの包装をいのに投げつける)。

みつぼり:おっとここで急にいのくんを雑に扱うスタイル。

いの:・・・これは減点です。

 

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みつぼり:おおお、いい音! 五感を刺激していくぅ!

さいとう:音だけで美味しそうでしょ?(ゴミをいのに投げつける)

いの:・・・(しぶしぶ受け取って捨てる)

みつぼり:雑www まあ『ザ・シェフ』の主人公しかり、ブラック・ジャックしかり、腕のいい職人は得てして態度が悪かったりしますからね。ちなみにさいとうくんは普段料理をやるんですか?

さいとう:完全にしないね。食う専門。

いの:その割にスムーズな作業ですね。

さいとう:すごいイメトレしてたからね。

 

(残り時間13分)

みつぼり:さいとうくんの包丁は見てて怖くないからいいね。

さいとう:でしょ。ほら、いのこれ完成したから持ってって。

いの:・・・・・・。

さいとう:おいアシスタント。ちゃんとやれよ。ぼさっと立ってんな。

みつぼり:雑ですね~w

 

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※態度によって遺憾の意を表明するいの

 

みつぼり:さあまぐろのブツ切りが出てきました。

いの:どう使うんでしょうかねえ。サイコロステーキですかね。

さいとう:まあお前ら落ち着け。腹減ってんのはわかるけど。

いの:・・・・・・。

みつぼり:・・・・・・。

さいとう:海苔どこだ海苔、お、あったあった。

 

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みつぼり:おお・・・これは以前から考案されていた料理なんですか?

さいとう:これはねえ、いや、寿司を食べたい時あるじゃないですか。でもご飯炊く時間ないじゃない。代わりに豆腐でいいや、っていう発想。

いの:”おにぎらず”的な考え方ですね?

さいとう:そうそう。あるじゃないですか、すき屋の『牛丼ライト』。あれ結構美味いしこれもアリかなあっていう。

いの:鉄火巻きライト。

みつぼり:鉄火巻きライト! じゃあこれをすき屋と合わせてライト兄弟ってことでよろしいんですね?

さいとう:そうだな。ゼンショーも俺に金一封をよこしてもいいんじゃないかな。

みつぼり:金玉みたいなきったねえビジュアルの料理持ち出して良く言うよ。

さいとう:これもいの食卓に持ってって。

いの・・・・・・(首をかしげながら食卓に運ぶ)。

みつぼり:さあ残り7分!(笑)

 

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みつぼり:すごい。焦りからか段々と葉加瀬太郎みたいな包丁使いになってきました。

いの:切っただけのアスパラをどんどん熱したフライパンに放り込んでいく!

みつぼり:これは芯が残ること必死! 焦りか!? 焦っているのか!? これはいよいよ、泥試合の様相を呈してきたと言って過言ではないのか!?

さいとう:バッカお前らこれがうめえんだよ。

いの:強がりではないのか? おっと、うなぎの蒲焼きに手をつけるぞ。ここにブチ込むと言うのか!? 5分切った。あと4分!

さいとう:これはもうこんなもんで完成でしょ。

 

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みつぼり:なんか戦国時代の農民のご馳走みたいな色味なんだけど。

いの:wwwww

 

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いの:さあもう残り1分半です。

さいとう:1半分かあ・・・。残り時間を考えると・・・もう塩せんべいはこうするしかないな。

 

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いの:wwwwwwwww

みつぼり:だんだんと盛り付けまで雑にwww ベビーフードかwww

いの:確かに赤ちゃんせんべいみたい。

さいとう:明太子とクリームチーズを和えたタネをのっけようと思ってたんだが・・・もうこれはディップソースでいこう。

みつぼり:うんそのシステムにするんならせんべいをわざわざお皿に入れた意味なんなの?

さいとう:こまけえこたぁいいんだよ!

いの:そうこうしている間に、5・4・3・2・1・・・終了!!

みつぼり:なんとか形にしたって感じだねw

 

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【実食】

さいとう:なんだよヨダレめっちゃでてるじゃんいのー! 慌てんなよー!!

みつぼり:同調圧力かけるところから入るのやめようよw 子供に無理矢理意見言わせる毒親みたいで嫌だw

いの:とりあえず料理のコンセプトをいい?

さいとう:私の料理は日本酒に合わせるってところをちゃんと全ての料理でイメージしながら作りました。バナナにベーコン巻くだとか、リンゴにチョコをのせるだとか、そういうなんか変な”ブレ”は認めない。つまみはこうだろ、っていうのを作りました。

いの:確かに変な冒険はしてないよね。

さいとう:ハイじゃあみんな食べて。

 

【1品目:秋ナスとしょうがのマリアージュ~ごまのドレスを纏って~】

みつぼり:あ、普通に美味いな。ごま油の風味が効いててイけるわ。

いの:うん、そうだね。酒に合う。

さいとう:でしょ? 秋の味覚だし、これからの季節に食べて欲しいよね。しょうがじゃなくてからしでもウマいんだなこれが。

 

【2品目:鉄火巻きライト】

みつぼり:これはどうだろうなあ・・・。

 

(三人ともせーので頬張る)

 

いの:・・・うん、好きだわ。女子受けもよさそう。

みつぼり:アリだな。もうちょい一口サイズとかで良いとは思うけど。

さいとう:豆腐とマグロって合うんすよね。うまいうまい。

 

【3品目:うなぎとアスパラの炒め物】

さいとう:これはもう逆にうなぎはもういらないんだ。アスパラがうなぎの旨みを吸ってるから。全部吸わせてるから。むしろアスパラ単体で食べてもらっていいくらいだから。

みつぼり:イチローのカレー理論かよ。ビーフカレーのビーフは全部カレーに旨みが溶け出してるから食わなくても良いレベルっていう例のやつと同じ理屈だわ。

いの:じゃあアスパラだけ食べてみよっか。いただきます。

 

(三人同時に食べ始める)

 

みつぼり:・・・青くせぇなあ。やっぱ茹でてないから青臭さがそのまま残ってる。蒲焼きと一緒に食えばギリ我慢できるレベルかなあ。ってかほら、いのくんのこの顔w

いの:ちょっとコレはまずいなあ。

みつぼり:文句なしにマズい。うなぎが無かったら食えねえわ。

さいとう:うなぎってウマいよね。日本酒にバッチリ合うよね。

 

 【4品目:赤ちゃんせんべいの面汚し】

いの:正直ね、コレにかなり期待してるんだよね。

さいとう:これは絶対うまいよ。

みつぼり:お前のその全能感みたいなのどっから湧きあがってくんの?

 

パリッ、パリパリッ、パリッ

 

いの:せんべいとディップソースが分離してる感じがする。なんかソースも辛い?

さいとう:ええ? そういう人??

みつぼり:いや俺は全然アリだわ。全然ウマい。たぶんめんたいメインのとこつけると塩っからいけど、チーズメインのとこつけるとマイルドで美味いよこれ。

いの:あ、確かに。チーズメインのところをつけると丁度うまい。

みつぼり:なんかマズい居酒屋のつきだしで出てきそうなメニューみたいでいいですねこれ。

さいとう:うまいならストレートに褒めろや。

 

 【5品目:塩辛のクリームチーズプレイ】

みつぼり:うん、これは鉄板じゃんね。議論の余地なんもないよ。

いの:はじめてこの組み合わせ知ったけど悪くないね。

さいとう:俺は結構家でやってるよ。イけるよな。

 

【食後】

みつぼり:日本酒と合うっていうコンセプトにも合ってる気はするし、全体的にはまあ悪くはなかったんだけど、なんかさいとうのプレゼン力ってか誘導尋問力に持ってかれてる感があるんだよなあ。

いの:日本酒って懐が広いからそこもアドバンテージはありそうだけどね。

さいとう:確かにそれはある。でもそれは焼酎も同じだったはずなんだけどな。

みつぼり:予算500円ってのを除いてもだよ。

さいとう:なんで芋焼酎とあう料理ってお題であんな創作ベトナム料理みたいなのを出してきたのかよくわかんない。

みつぼり:”外国人が思う日本料理”みたいなの出してきやがって。

いの:・・・焼酎だったら別に日本料理じゃなくたっていいじゃないですか。アスパラだって、外国語じゃん・・・。

みつぼり:なに言ってんだコイツは顔真っ赤にして。もうただの酔っ払いじゃん。

さいとう:だんだん着てるシャツと同じ顔の色になってきたな。

みつぼり:東南アジアで売春の斡旋してる奴みたいな色のシャツ着てきやがってw

 

 

(つづく)