ロクリンシャ

三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告(公式HP:rokurinsya.wixsite.com/rokurinsya & 公式Twitter:https://twitter.com/rokurinsya007)

ロクリンシャ、それは三柱の人狼とそのなかま達による体当たり座談会系集団の活動報告
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目次

ロクリンシャ座談会早見表。

この回の記事を早く読ませろやという要望があればコメントください。

 

2017年

10月回 仮想通貨

 9月回 平成初期

 8月回 ビール万博

 7月回 人工知能

 6月回 催眠

 5月回 暗渠

 3月回 ロクリンシャ名著を読むシリーズ第1回『失敗の本質』! 

 2月回 細菌

 1月回 はじめてのピンク映画! 1 

 

2016年

12月回 手相

11月回 文学フリマ全力レビュー!!!!!!!

10月回  町おこし

 9月回 アートランナーが往く美術館マラソン2016秋 1     

 8月回 料理王は俺だ!選手権 1       

 7月回 父について考える 1  

 6月回 この漫画が嫌いだ!2016夏 1  

座談会:ロクリンシャ名著を読むシリーズ第1回『失敗の本質』!

こんにちは。いのです。

更新の順序はめちゃくちゃですが、今回はロクリンシャ3月回!

比較的新しい本をテーマに選ぶことが多いロクリンシャですが、たまには読み継がれている本であーだこーだ話すのも、読書の醍醐味だったりすると思うんですよね。

というわけで、新企画「ロクリンシャ名著を読むシリーズ」がスタートです。

第1回のお題は、『失敗の本質 日本軍の組織論的研究』! 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

 

84年に刊行されてから30年以上にわたって、旧日本軍の研究書としてはもちろん、組織論の名著として各界の著名人から支持され続ける『失敗の本質』。

旧日本軍が実行した6つの作戦、「ノモンハン事件」「ミッドウェー作戦」「ガダルカナル作戦」「インパール作戦」「レイテ海戦」「沖縄戦」を組織論としてとらえ直し、旧日本軍の問題としてだけではなく、現代社会の様々なコミュニティで起こり得る普遍的な失敗の事例として分析する本書の試みは多くの人々の心をつかみ、近年では小池百合子東京都知事が座右の書として挙げたことから、書店でも特設コーナーが設けられたり、関連書籍が出たりと、今また注目が集まっています。

一方、豊洲移転問題や学校法人と政府との関係など、責任の所在をめぐり議論が紛糾している昨今(と言っても少し前の話題になってしまいましたが)は、組織というもののあり方を見つめなおす好機とも言えるかもしれません。

我々ロクリンシャもまた、数年間会社という組織に属し、それ以前も文芸サークルという組織を運営してきたわけで、それなりに色んなジレンマを抱えながら生きてきたりしているはずなので、それぞれ何らかの言葉にしたいことがあるのではないかと思った次第です。

座談会のテーマは何でもアリ。あえて議題を設けず、「失敗の本質」という本が僕たちの何を浮かび上がらせるのかを楽しんでみようという、フリースタイルトークで今回はお届けします。

座談会の前に、少しお散歩しました。

 

豊洲をぶらぶらしてみよう。

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失敗感のある街ということで、みつぼり君チョイスで豊洲へ。新市場の周辺をぐるっとまわりました。

真新しい建物が堂々と建っているのに、周囲にひとっこひとりいない、なんとも寂しい状況。

映画の撮影に使えるんじゃないかとか、東京オリンピック期間中のコミケの会場にどうかとか、そんな話をしつつ、周辺のタワーマンションに住むブルジョア家庭への呪詛を撒き散らしながら、豊洲駅有明駅までをお散歩。

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パナソニックのショウルームで無邪気に遊ぶ男たち。 

 

この後、月島に場所を移して、座談会スタートです。

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もんじゃ焼きの作り方に対して、「グランドデザインが無い」「戦力の逐次投入」など、覚えたてのパワーワードをとりあえず使いたがる3人。痛いミリオタみたいです。

 

【本を読んでみてどうでした?】

みつぼり:居酒屋でこれ読んでたらさ、常連らしいおっさんに死ぬほど絡まれてさ。

いの:どんな感じで?

みつぼり:「失敗の本質かあ・・・!俺も長く生きてきたけど痛い目みないとダメだなあ!!がはは!いいねえ!!」みたいな。

いの:www

さいとう:きつい。

みつぼり:さて、どんな話から入ろう。まず、面白かった?

さいとう:まあ、面白かったけど、結構読みにくかったな。そもそもの軍隊のシステムとか、知識のベースに入ってないと若干キツい。

いの:まあ、戦況そのものを解説するのが目的の本ではないからね。俺も文字だけだとイメージしにくかったから、ドキュメンタリー番組を観てもう一度読んで、やっと入ってきた感じだったかな。

さいとう:ノモンハン事件が一番分かりにくかった。

ノモンハン事件昭和14年満州国とモンゴルの国境戦をめぐって発生した、日本軍とソ連軍の大規模な衝突事件。

みつぼり:これだけ太平洋戦争以前だから、前提となる国際情勢が分からないとつらいかもね。でも、分からない部分は読み飛ばしてもいいんだよねこの本は。戦争を語るのが目的じゃないって本の中でも書いてあったとおりにさ。

いの:6つの作戦について書かれた第1章はあくまで事例紹介で、2、3章の検証こそが本質なわけで、実際2、3章に入ると格段に読みやすくなるね。印象に残ったところはあった?

さいとう:「顔色で察してほしかった」ってのは最低だよな

いの:インパール作戦牟田口廉也なw あれはひっどいよなw

みつぼり:俺のメモ帳にも「牟田口は無能」って書いてあるw やっぱり皆思うところは同じかw

牟田口廉也インパール作戦の指揮官。すでに作戦中止が不可避の戦況の中、様子を見に来た上司に作戦中止を提案しなかったことについて、後に「顔色で察してもらいたかった」と語った。

インパール作戦昭和19年3月から7月まで実施された、インド北東部インパールの攻略を目的とした作戦。補給を軽視した計画で多数の餓死者を出したことで有名。最近では今年の終戦記念日NHKスペシャルで取り上げられたり、朝ドラ「ひよっこ」で言及されたりしましたね。NHKが戦争関連の番組を無料配信しているので、下記のリンク先をご覧ください。

さいとう:言葉にしない美徳、みたいなのがあるのかね、日本人には。この空気なら大丈夫だろう、伝わるだろうみたいな。

いの:それで何万人も死なせてるんだから世話ないよな。

さいとう:結局この半月くらい後、牟田口は作戦中止を上申するんだけど、上司は牟田口が自決するのを恐れてそれをはねつけて、かえって攻勢継続を命じるってのがもうね。

※上司=河辺方面軍司令官のこと。昭和12年の盧溝橋事件においても牟田口の直属の上司であり、それ以来両者はとくに親しい間柄であった。

みつぼり:大勢の人の命を預かってるっていう感覚がもう無くなっちゃってるんだろうね。

いの:上層部内での思いやりみたいなのはあって、そもそも牟田口がインパール作戦の指揮官になったのも、以前の作戦での無念を晴らしてやりたいっていう上司の温情だったりするんだよね。あと、本には書かれてないんだけど、総理大臣の東条英機インパール作戦にゴーサインを出したのは、東条が個人的に自由インド仮政府の首相チャンドラ・ボースに惚れ込んでて、インドから連合軍を追い出すのに前向きだったというのもあるらしい。

さいとう:そんな人がいたんだ。

いの:戦争が終わった後に、謎の飛行機事故で死んだらしいんだけど。

みつぼり:何やらきなくさい話だね。

いの:きなくさいね。とにかく、上層部の人間同士の情と、名もなき兵士たちの命の軽さのギャップがすごいよね。あと、読んでて興味深かったのはミッドウェー海戦かな。敗戦の転機になった戦いだったことくらいは知ってたけど、ギリギリのところでの判断が勝敗を分けているのが面白くて、自分が南雲司令長官だったらどうしただろうっていうシミュレーションをしながら読めた。

ミッドウェー海戦昭和17年に起きたミッドウェー島攻略を目指す日本軍とアメリカ軍の衝突。ミッドウェー島を抑えることで後のハワイ島攻略の足掛かりとし、同時に島の奪回に向かってくるアメリカ軍艦隊を撃滅することを作戦目標としていた。結果的に日本軍は、大型正規空母4隻をはじめとした貴重な戦力を多く失う大損害となった。作戦指揮は南雲忠一司令長官。

みつぼり:まあ、ミクロな視点で自分ならどうするかを考えるのも面白いかもしれない。ただ、この本的な視点で言えば、仮にまぐれ当たりの判断を選択できたとしても、結局作戦に失敗した根本的な要因、要は索敵能力に重きを置かない体制だとか、上層部の戦略が下まで伝わっていないだとか。そこが改善されない限り、どこかで同じことが起きてるわけだよね。たまたまミッドウェーが分水嶺になっただけでさ。

いの:作戦目標の統一もね。海軍は短期決戦思想、陸軍は長期決戦思想で戦争始めてるのはいくらなんでもガタガタになって当然だよね。

さいとう:ひどいよなそれ。あと、補給の軽視ね。

みつぼり:よくいろんな戦争体験記読むけどさぁ、南の島に行ってる人はとにかくひもじかったって言ってるんだよね。サイパンでもルソンでもガダルカナルでも、とにかく食うに困ってる。加えてマラリアとかの病気にもやられて、敵の攻撃以上に困らされたっていうのはさ、いろんな記述にあるじゃん。結局、南方に適したような戦い方を見つけられないまま戦争に突入しちゃったっていうのが、そもそも大きな失敗だったでしょうと。

いの:そういう意味で陸軍ってのはしんどいよね。海軍ってのはやられたらそもそも帰って来れないってのがあるけどさ、陸軍はその場に残ってっていうのがあるじゃん。地獄に置き去りにされるようなもので、それはやっぱキツいよね。補給の話だと、インパール作戦の時は、あまりに自分のとこの補給がないから、イギリス軍が飛行機で投下する物資を、横から奪い取る作戦とかやってたらしいんだよね。

さいとう:悲惨すぎるよ。

みつぼり:あとさ、風船爆弾ってのも非現実的すぎるよね。

風船爆弾:爆弾を搭載した気球をジェット気流に乗せて飛ばし、アメリカ本土空襲を行うために作られた兵器。昭和19年冬から昭和20年春まで、約9300発が放球された。後述の死者のほか、小規模の停電や山火事をアメリカ本土で起こしている。

いの:一応あれアメリカ本土で6人殺してるから。

みつぼり:事故だよそんなのw だって狙ってないじゃん。

いの:しかも死んだ6人て、ピクニックに来てた子供と女だから。

みつぼり:うわあ。

さいとう:嫌なとこ行ったねー。

みつぼり:読んでて笑っちゃったんだけどさ、風船爆弾の製造に使うために、こんにゃくが日本から無くなったとか書いてあったよね。

さいとう:書いてあった。

みつぼり:どんな面白ニュースだよ。

さいとう:独り身は困っただろうねえ。

みつぼり:そうだねw まだカップヌードルとか無かったから。挿すもの他に無かったから。

さいとう:話は変わるけど、本の中では、アメリカ軍の合理的な軍隊システムと日本軍が比較されてるけどさ、変な話、俺の感覚だとかっこいいと感じるのは日本軍の方なんだよ。

みつぼり:そうかい?

いの:合理的に立てた作戦で合理的に勝っても、カタルシスに欠けるみたいな? IT野球より雑草魂みたいな。

さいとう:アメリカ軍が均質化された、全体のステータスを平均的に上げたものを作るのに対して、日本軍は一点豪華主義ゼロ戦でも大和でもそうだけど。

いの:最強決戦兵器!的な。

さいとう:そうそう。大量生産の工業製品よりも職人技を好むのは日本人っぽい。戦闘機のパイロットの撃墜数で見ても、アメリカ軍はマックスで20数機とかでしょ。

みつぼり:日本軍はどのくらいなの?

さいとう:100何機くらい。ドイツに至っては300機以上だけどね。

いの:それだけ、日本とドイツが兵士を酷使してたって話でもあるかもね。

さいとう:もちろんそう。本にも書かれてたけど、アメリカ軍は戦闘機のパイロットのシフトをちゃんと組んで、兵士に休息を与えてたんだけどさ。でもそれだけ、戦場を無双する英雄的なものへのあこがれが強い国民性なんじゃないかな、日本人は。

いの:源義経とか、楠木正成とか、英雄が寡兵を率いて不利な戦況を覆すっていうのは、昔から皆好きなシチュエーションだよね。

さいとう:それこそ、義経鵯越の逆落としにならって、インパール作戦鵯越作戦なんて呼んでた人もいたわけで。

みつぼり:ただそういう観点で言うと、 日本史では一方で信長の鉄砲隊が武田の騎馬隊に勝利したみたいな、戦略的な合理性で勝った戦もあるわけでさ。結局、都合のいいところだけ拾っていいように使ってただけで、歴史から本気で何かを学ぼうという意識は全く無かったんだよね。

いの:質も量も連合軍に押されてる場面だからこその、英雄待望論だったり一点豪華主義だったりするわけで、それが国民性と断言できるのかは難しいところだとは思う。そういえばさ、さっきの補給の話で思い出した。あのー、一昨年こんな映画を見たんですよ。

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さいとう:『野火』って、大岡昇平の?

いの:そうそう。それが原作。この映画がすごい良かったんですよ。ひたすら地獄巡りみたいな。アメリカ軍との戦いって言うよりも自然との戦いだし、同じ仲間との戦いだしで、俺は今何をやってるんだろうっていう、ある1人の兵士の感覚を追体験できるような映画だったんだよね。時期的には、レイテ沖海戦が失敗して、見捨てられたフィリピンに従軍してる兵の話なんだけど。その兵士がどんどん正気を失っていくんだよね。当時の兵隊さんていうのは、ほんとにこういう景色をきっと観てたんだろうなっていうのが生々しく伝わってくる映画で、すごく良かったんですよね。一昨年のベストワン映画です、僕の中で。

みつぼり:暗くなりそうな映画だなあ。

さいとう:そりゃそうだろ。ハッピーエンドじゃないだろ。

いの:でもね、フィリピンの自然だけは馬鹿みたいに綺麗なんですよね。そこをさまよい歩いている感じが、夢うつつの中にいるような、不思議な感じでね。できたら映画館で没入して見てほしいね。夏場に空調の効きの悪い劇場で観れたら、臨場感があって一番いい。

みつぼり:でも俺、映画館トラウマあるからさ。

いの:そうなの?

みつぼり:前々回の上野の一件で。(→ 座談会:『はじめてのピンク映画!』前編 - ロクリンシャ )

いの:あれは特殊な状況すぎるでしょw 

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 【責任のあり方について】

いの:責任の所在問題もちょっと話したかった。責任の所在が不明確っていうのは、逆説的に言えば、ちゃんと段階を踏んでコンセンサスを取りましたよっていう、独断でやってませんよっていう証明として手順を踏むわけじゃないですか。特に官僚機構は。そういう手順を踏んでいるからこそ、逆方向から遡って行った時に、責任の所在が不明確になるって言うのは、しょうがないよねってのはちょっとあると思う。豊洲移転問題なんかもそうでさ。

さいとう:でもこの本に書かれてる事例の場合はどうだろう。そういう段階をシステマチックに踏んでいたと言うよりは、誰もがみんな自分で決定することをためらって、空気を読んで察してねって言う所による責任の所在の不明確って言うんですか、そういうことじゃないかなと思う。最終的にはオーケーって出す1番上の人が、本来は責任を取るべきだと思うけど、日本軍みたいな上層部がお互い空気を読み合う構造だと、そりゃ責任がなあなあになりますよ。

みつぼり:そりゃそうだ。

さいとう:ノモンハン事件だっけ? 参謀の独断専行が司令部でなんとなく許容されちゃって。それと、インパールの時も、東条英機が現地にこの作戦で問題ないのかって質問状を送ったんだけど。

みつぼり:「無いっす」って返ってきて。

さいとう:じゃあ分かったって言って。だって普通、そんな中途半端な回答で本当かよと思うじゃん。でも「お前が大丈夫って言うんだったらいいよ」っていう。

いの:そこで東条が深く考え始めちゃったら、東条自身の責任の割合が膨れ上がっていくわけで。あの組織の中では愚鈍なふりをしていた方が利口だったのかも。まあ、一国の総理大臣がそれって終わってると思うけど。

さいとう:誰も彼もが決定するのを嫌がったのかなあと思う。怖いからね、責任を取るってのは。特に何万人が生きるか死ぬかの決断だって考えたら。 

未完のファシズム―「持たざる国」日本の運命 (新潮選書)

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余談ですが、上記の『未完のファシズム』という本も一緒に読むと、日本軍の失敗に至る思想の形成について、『失敗の本質』とまた違う方向から追えるのでオススメです。

 

【目的の明確化、できてますか?】 

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さいとう:目的の明確化、目的の周知ってのは、 すごい重要だなって思う。最近自分の仕事でも思った。

いの:うん。

さいとう:というのも、最近仕事で使いだした工事関係の下請けの業者が、組織立った行動をするところでさ。そこって3人だけで現場に来ても、その3人で朝礼をしっかりやるんですよ。今日はこれこれこういう作業を、これこれこういうことを目的としてやりましょうっていうのを、毎日やる。今まで見てきた業者だと、トップが1人いて、その人が色々指示するんだけど、今日はどこまでを目標にするみたいな話を、下っ端まで伝えない。「とりあえずこれやっとけ」って感じなんだけど、それってすごく不安定な状態で、何か突発的な事象が起きた時に、的確な判断が個々人でできないんだよね。

みつぼり:そうだろうね。

さいとう:最初は、何あの人たち3人で朝礼とかやっててバカじゃねえのとか思ってたけど、そういうのってひとつ重要なのかもなってのは、ちょうどタイムリーにこの本読んで思った。ミッドウェーでは、ミッドウェー島の攻略によって、米空母艦隊を誘い出すことが山本五十六ちゃんの考えていた戦略だったのに、実際は攻略前に艦隊が出て来ちゃって、島の攻略と空母艦隊の撃破どっちを重視するかで判断に迷いが生じてるんだけど、もう空母艦隊と対峙している以上、島の攻略と天秤にかける必要はないのに、目的の周知徹底が現場サイドまで行き届いてないもんだから混乱が起きたわけでさ。同じようなことは全然、日常的にあるよね。

みつぼり:あるある。嫌というほどある。

さいとう:社会に貢献してとか、売り上げ何億円とか、そういうぼんやりしたスローガンを読み上げるみたいな朝礼なら無駄だろうけどさ、具体的なことが言える前提でね、朝礼ってのは効果があるんだなと思う。

みつぼり:俺も以前の会社で、朝礼をやる主任とやらない主任の下にそれぞれついた。やらない方の主任は自分の腕には自信があるし、売り上げもちゃんと伸ばすから、自分が分かってればいいってスタンスなんだけど、下の人間には毎日のルーティン以外の全体像が見えてこないんだよね。戦争に置き換えれば、俺って何のために戦ってるんだろうっていうような。お国のため、家族のため、みたいなぼんやりしたスローガンはあるかもしれないけど、南の島のジャングルをひたすら進んでいって、この作戦の目的っていったい何だろうって思ってるような、そんな気分だった。朝礼の話に戻すけど、やっぱり目的の共有を図るコミュニケーションをサボる人は、個々人のステータスはともかく、人を動かす立場としての資質は無いと思うよ

いの:俺のところは4人だけの係でデスクワークなんだけど、他の3人が今何をやってるのか、ちゃんと把握できてないことが多いんだよね。だからなるべく自分がやってることを相手に伝えたり、何をやってるのか聞いたりするようには意識してる。こういうのってやっぱり面倒で、そのひと手間を惜しんじゃうときもあるけどね。だから、言葉にしなくても分かるのが日本人的って話がさっき出たけど、それって要は面倒くさがりってだけなんじゃないのって感じもする。日本人は真面目なふりして怠惰なんじゃないかと。

みつぼり:やっぱり、自分がやってることが何に結びついてるのか分からないと、応用も工夫もないし。時間の意識もないし。

さいとう:モチベーションも上がらないし。

みつぼり:何やってんだかよく分かんねえなってのが一番嫌だ。まあ、分かってなおクソな時もあるけど。

いの:あとはね、その場の空気が目的より優先されてしまうこともあると思う。

みつぼり:あるねー。

いの:本でたびたび出てくる、「組織内融和の重視」のデメリットにあたるのかな。目的の実現よりも上司の顔色を見て行動することに比重が置かれることで、当初の目的から離れていってしまうのを実際に見た。以前いた部署の課長が神経質なパワハラ課長で、人に任せられないタイプの人だったんだよね。「あれはどうなった、これはどうなんだ」というのを何度も何度も聞いてきて、部下にプレッシャーを与えてくるんだけど、皆だんだん課長が怒らない仕事の仕方を学習していくんだよ。でも、それがエスカレートすると、課長が本来意図していたよりも過剰な要求を取引先に指示したりするようになる人が出てくるんだよね。課長としてはそこまでやれとは言ってないのに。

さいとう:うんうん。

いの: やりすぎなんだけど、でも積極的なやりすぎって、あまり咎められないじゃん。

さいとう:せいぜい諫められるくらいだよね。やる気は買うよ、みたいな。処罰の対象になりにくい。

いの:マイナス評価にしにくい。逆に、消極的な姿勢だと、「なんでやってなかったんだ!」ってなって、それってマイナス評価以外の何物でもないじゃん。だったら過剰にでもやろうと。これはこの本で言えば、日本軍の失敗の理由のひとつに挙げられている、プロセスや動機を重視した評価ってやつで、積極的だったから独断専行による失敗を大目に見てもらえた、ノモンハン事件の辻参謀みたいなケースかな。間近で見ていて、これはすごく怖いことだなと思ったね。

 

【『失敗の本質』、生かせそうですか?】 

みつぼり:この本で書かれたような失敗は、どこでも繰り返されますよ。例えばこの本にすごい感銘を受けた人がいたとしても、人が寄り集まってやってる以上、こういう事は起きますよ。

さいとう:だからこそ、人の介在が極力少ないシステム重視の構造を作るしかないって話じゃない?

みつぼり:でもそれは難しいことで、システム重視がいいって言うのはまた違うと思うんですよ。例えば本当に合理性だけで判断するのって現実的には無理があって、「あそこの島の守備隊はもう見捨てよう」みたいなのって、ゲームじゃないんだから、はいそうですねとはならない。人が人である以上、感情があってものを考えている以上は、判断ミスは絶対に起こりうるものだし。例えばだけど、この本を当時の旧日本軍の首脳みたいな人たちが読んで「あーなるほど」と思って、じゃあやるかっていうとやらないと思うし、逆にやろうとする人っていうのは外されると思うんですよね。そういう組織風土や空気ってものがあるから。

いの:この本が提示する合理的な組織論は、日本的な土壌には合っていないように思えると。

みつぼり:参考資料で出したかったんだけど、横浜DeNAベイスターズの前社長の池田さんていう、球団の経営状況や組織風土を一新させた人が去年、『空気の作り方』っていう啓発本みたいなのを書いてて、会社のガチガチで昭和的な風土をどうやって変えていったかって本でさ、それが頭によぎって。読んで思ったのは、組織を変えるには組織論とかを運用するべき人が組織論の本質を理解して、カリスマ性で以って引っ張っていく方法以外はなにも無いんですよね。下っ端が理解してても、「でもウチはこういう風土だからね・・・」で結局変わらないんだよ。 

空気のつくり方

空気のつくり方

 

いの:悲しい結論だけど言いたいことは分かるよ。それとさ、理屈を理解していざ実践しようとすると、いろんな壁がある。そういうところで、楽な方楽な方に流れていくと、失敗に絡めとられていく。どっかで妥協とか繰り返していくうちに、いつの間にかバッドエンドフラグが立っていて、日本軍みたいな失敗に引きずり込まれてちゃったりっていうのは往々にしてあると思うんだよね。

さいとう:組織内での折り合いをつけようとすると、大胆な変革は難しいよね。

みつぼり:だから僕は、まともなカリスマが必要論なんだよ。

さいとう:まともなカリスマっていねえから。

いの:みつぼりは理想のカリスマって誰かいるの?

みつぼり:まあそれこそ、結果がついてきて、かつ失点が付く前に辞めて逃げ切ったから、横浜DeNAベイスターズの池田さんはまともにカリスマやってたと思うよ

さいとう:球団弱いじゃん。

みつぼり:球団改革としては成功したから。球団弱いはこれからだから

さいとう:お前が言う、完璧なカリスマがいればいいっていうのは当たり前なんだよ。そいつがいればそれで済むんだから、そんなに楽なことはないよ。でも、それがいないからシステムが必要なんだよ。普通の組織にはいないんだよそんなの

みつぼり:そうか。あーなるほど、だから組織論が必要なんだ。いやでもさあ、組織論なんてこんなの上手に運用できる人なんていないよー。

 

【そろそろまとめましょうか】

いのが頼んでいたあんずサワーとあんこ巻きが運ばれてくる。

みつぼり:あんずサワーとあんこ巻きって、甘味処にいるババアか

さいとう:俺も、甘いのに甘いの注文してやがるって思ったけど、あえて言わなかったけどね。顔色で察してほしかった

みつぼり:あんずサワーを頼むっていう判断を尊重してあげたいと思ったんだ?

さいとう:あいつがそう言ってるならって。

いの:一度、あんずサワーを我慢してビールを頼んだ後悔があるから。

さいとう:消極的な姿勢を見せてしまったっていう

みつぼり:全部牟田口語録じゃねえかw そろそろまとめようぜ。

さいとう:失敗の本質とは。

みつぼり:あなたにとって、失敗の本質とは。

いの:何? 俺に聞いてんの?

さいとう:まあ、全員に聞くよ。

いの:なんだろう・・・現状を正しく分析するっていうのはさぁ、時としてすごい苦しいし、今までの自分が間違ってたっていうのが分かってしまうのは、自分に対する否定にもなるし。でも、とはいえ何も考えないというか、信じたいことだけを信じようとすると、その時は心の平穏が保たれるかもしれないけど、結局その場しのぎの平穏でしかないわけで。状況を正しく認識するというのは特に辛いけれども、でもそうして少しでも現実との錯誤を縮めていかないと、何においても成長ってないよなーと。情報を最大限収集して、その中で最適解を見つけていくっていうのは、組織でもそうだし個人レベルでもそうだし。現実と向き合うのは苦しいけどね。都合のいい話にばかり耳を傾けない。そういうことを思ったよ。んじゃあ次、みつぼり。

みつぼり:まぁ、さっきも言ったけど、結局歴史の失敗から学ぶことは大切だと思うし、有用なことのようにも見えるんだけど、馬鹿は死んでも治らないと言う言葉があるのと同じで、ここから学んだつもりになったとしても、結局は繰り返されると思うんですよ。戦争が、とかじゃなくって組織論としてってことね。今も起きてるだろうしこれから自分の身近でも起きるだろうし。どんなに学者が頭の良いことを言っても、人は愚かでしかないなーって。読み物としては優秀だけど。悲劇は繰り返しますよ、というのが読んだ感想かな。さいとうは?

さいとう: 失敗の本質っていうのは変化を恐れることかなと。俺自身変化するの苦手だからさ。

みつぼり:変わっていくこととかあんまり自発的にやらないよね。

さいとう:やらない。そういう意味で、いつまでも日本軍が、前の成功体験にしがみついて、組織としても個人レベルでも変化を恐れたのが1つ大きな失敗だったと思うし。と思ってはいるけれども、自分がそれを生かしていけるかというのは正直わからん。失敗の本質だけじゃなくって、いろんなところからエキスを抽出して、一定値を超えたときに人は変化をすることができるんじゃないかと思うので、その一要素として興味深く読めたと、そんな感じです。

いの:なるほど。うんうん、まとまったんじゃないでしょうか。ちなみに、ロクリンシャの失敗の本質としては、我々は作戦目的の統一ってのは図れているんでしょうかね。ブログの更新も滞っておりますが

みつぼり:いやー、図れてるでしょう。

さいとう:作戦目的って何? いのくん。

いの:作戦目的? だから、それが不透明だからこそ今のあり様なんじゃない?

みつぼり:そんなの、話したいこと話してブログに書いてネットでうぇーいってなることっしょ?

さいとう:(苦笑)

いの:牟田口の方がまだちゃんとしてるぞ。

さいとう:俺は目的としては、だべってるのをそのままにしておくのはもったいないから、記録に残して、後から読み返せたらいいかなっていう。

いの:それで書いてないってのはどういうことなのか。

さいとう:それは違う話だよ。それは、それはすまん。

いの:でも個人の努力だけの話じゃないと思うんだよね。何か、何かね。

みつぼり:大義が無い。

いの:グランドデザインがあればね、違うのかね。

 

以降、 今後について中身の薄い議論が続いていきますが、結局翌4月回では初の企画中止が発生、その後もグランドデザインが描けないまま泥沼の結成1年半を迎えるロクリンシャの活動を今後とも応援よろしくお願いします! 

 

(文責:いの)

文学フリマ全力レビュー!!!!!!!

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こんにちは! みつぼりです!

第7回目の座談会はやや番外編です。11/23に開催された第二十三回文学フリマ東京(通称:文フリ)という文芸作品専門の同人イベントに3人で行って参りましたので、今回はそれをレビュります。

 

ちなみに文フリの概略は以下の通り

  • 文学フリマは誰もが参加できる文学作品の展示即売会です。既成の文壇や文芸誌の枠にとらわれずに文学作品を発表できる場を提供すること、作り手や読者が直接向き合あって交流できる場をつくることを目的とし、プロ・アマといった垣根も取り払ってすべての人が文学の担い手となれるイベントとして開催されてきました。2002年から東京を中心に開催されてきた文学フリマですが、少しずつ日本の各地域にその輪をひろげてきました。このたび文学フリマ百都市構想を立ち上げ、全国各地に文学の種を蒔き、芽を育て、花を咲かせることを目指します。(文学フリマ公式ホームページより)

 

 平たく言ってしまえば、”文芸作品のみのコミケ”という感じの内容・規模感でございます。出展ジャンルも小説にはじまり、詩歌、評論、エッセイなど幅広く、売られている品の出来も、印刷用紙をホチキスで止めただけのシンプルなものから、表紙イラストをプロが描き、印刷所に印刷・製本を頼んでいるような本格的な同人誌まで、さまざまでございます。

 

 ロクリンシャの3人は、学生時代にサークル参加をしていたことがあり、今回はおよそ5年ぶりに今度は純粋な一般客としての参加という感じでございます。

 

 今回は3人が一日かけて文フリの会場をじっくり周り、その中で感じた文学フリマの印象、これまでとこれから、買った冊子のレビューなどをざっくばらんに話した座談会の様子を記事にしております。

 文フリを知ってた人も知らない人も、興味がある人もない人も、行ったことがある人もない人も、漏れなく興味深い内容になっておりますのでどうぞご一読くださいませませ。

 

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2016/11/23 18:10 浜松町にあるおやじのウザがらみが心地良い居酒屋にて 

 

みつぼり:じゃあまあ一人ずつ購入したものを紹介していきましょうよ。まずいのくんから。

 

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一冊目【紳士靴九話】

いの:紳士靴についての本らしいです。会場で実際に靴を磨きながら同人誌の販促をしてるお兄さんに惹かれて立ち寄って、とても靴が好きな方ということで。仕事でビジネスシューズとか履くけど、全然ブランドとかもわからないし、何かそういったものを体系的に知るきっかけになればなあって感じで。

さいとう:内容はどんな感じ?

いの:靴のイラストが描いてあって、紹介だったり、靴についてのエッセイであったり・・・っていう、商業のルートに乗ってこないトガった内容が面白そうだなあと。知っといて損になる知識じゃないし。ちょっとしたトリビアにもなるしね。

さいとう:まあ知っといて損になる知識ってないけどな。

 

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二冊目【旅貯の楽しみスタート編】

いの:旅貯、っていうのかな。これもさっきの靴と同じ「その謎のこだわりどっから来てんのかシリーズ」第二弾というか。

みつぼり:これ見た見た。旅行で行った先の郵便局でお金を振り込むと、そこの郵便局名だか支店番号だかが通帳に印字されるらしくて、それを旅行の楽しみにしませんかっていう内容だよね。

さいとう:ホントにマニアックな中身だな。

いの:なんか乗り鉄界の有名人が「こういう楽しみ方もありますよ」っていう紹介をしたらしいよ。著者の方は、旅行先の郵便局で地元の人の会話を聞いているのが、知らない土地に来たって感じで楽しいんだってさ。あと同じ人なんだけど、旅行先で住民票をとるのも面白いらしくてそれをまとめた同人誌もあったよ。

みつぼり:どっちも市販の本ではまとめられない、ってかまとめても仕方ない内容だね。だからこその同人誌なのかもしれないし。

 

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三冊目【SEXY ORIVER Vol.3】

いの:映画に関する評論です。ツイッターでフォローしている方が記事を寄稿しているんですよ。

さいとう:(パラパラめくってから)シンゴジラの記事が多いっすね。あとブレードランナー。この2タイトル以外の名前が見当たらないんだけど大丈夫?

いの:ちなみに俺がフォローしている方はチリ映画についての記事を書いてる。透明ランナーさんって人。

 

 

四冊目?【サークル名:不明】

いの:最後はカードゲームなんですけど・・・架空の恋人が死んだ、その遺書を自分で作れ、って内容なんだけど。

みつぼり:みつぼり:そんなの買ってどうしたの? 作った人は心が疲れてるの?

いの:要は好きな人の遺書だったらどういうものが作られてたら良いか、っていうのを手軽に考えてそれを楽しむんだと思うんだけど。

みつぼり:「だれが/どこで/いつ/何をした」のゲームみたいに、上の句と下の句にわかれたカードをそれぞれ引いて、ランダムに組み合わせてできた言葉を楽しむっていうゲームですな。

さいとう:まあやってみましょうよ。ハイ、じゃあいのくんの架空の彼女が死んだということで、一枚づつ引いてみて?

いの:「知らない人と笑顔で、写真映るだなんて、すごいね。すごい笑顔の持ち主なのね。すぐ横の知らない人に顔向けないなんて笑顔で」「いい水」

みつぼり:……?

さいとう:(失笑)

いの:いやなんかたぶんこれ遊び方ちがう気が・・・。

みつぼり:いい、いい。だいたい見えた。

さいとう:おつかれさまでーす。

 

次はさいとうくんが買ったもの。

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一冊目【よくわかるエアコン配管観察】

さいとう:エアコンの配管のスゴいやつをいっぱいのせている冊子。これはニッチな業界シリーズというか、俺が関わっているこの業界によくぞ日を当ててくれた!っていうか。

みつぼり:ここに載ってる変な配管って実際どういうことなの? 工事のミス? 手抜き工事?

さいとう:明らかな手抜きですよほとんど。専門業者の目から見たときに本来あり得ないんだけど、ただまあ金銭的な問題とか、実際工事をする上で仕方ないこととかあったかもしれないし、それを推理するのもちょっと面白い。

 

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二冊目【あちこさん③】

さいとう:社会人の作者さんのルポ漫画。アフタヌーンとかで連載してそう。ちょっと生きづらい女の人のレポというか。ご結婚もされているみたいです。

みつぼり:まあありがちだけど面白そうではある。

いの:300円ならコスパは良い気がする。

 

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三冊目【新白山文学】

さいとう:俺らが所属していた文芸サークルの後継サークルの冊子。絶対読んで、格の違いを感じてやる。 

みつぼり:そういうとこ性格でるよね。僕は絶対ちゃんと読まない気がしたから買わなかったよ。

 

次はみつぼりが買ったもの。

 

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一冊目

みつぼり:まずは緑のルーペ『青春のアフター』3巻。

さいとう:うるせえよお前マジで。

みつぼり:朝、いのくんを待ってる時に浜松町の文教堂で買いました。3巻買う程度には面白い。

いの:これ面白いよね。

 

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二冊目【mint vol.1】

さいとう:あー、しがらみ系のやつな。読みたくて買ったの?

みつぼり:いやでもまあ純粋に読みたい気持ちの方が強いですよ。講談社BOX系の作家さんが集まって同人で好きに書いてる雑誌ですね。岩城裕明さんっていう作家さんの小説が好きで、その人の文章が読みたかったからねー。あと円山まどかさんの文章も読みたかった。

 

三冊目【サークル名不明。なんか80年代フリークの女子のゆるマンガ】

みつぼり:完全に惰性というか、流されて買ってしまったよ。ちょっと割高感があるのは否めない。最近『スローモーションをもう一度』っていう80年代にのめり込んでいる高校生を題材にした漫画をイノと面白いって話し合ってて、ちょっとその影響もある。

いの:珍しく紙の本でマンガ買っちゃったからね。面白い漫画だった。

 

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四冊目【2016横浜観戦記】

みつぼり:横浜ベイスターズのシーズンシートを買ってるファンの方が、全試合のスコアリング・成績・勝ち投手・選評とかの細かいデータを一試合ごとに細かーーくつけたその記録集。すごい熱だよね。値段の付け方も横浜ファンの場合は好きな選手の背番号×10円っていうところに粋を感じたよね。

さいとう:こいつが迷ってるのを俺が煽りに煽って買わせた。ホント細かいよな、ジャイアンツでやっててくれたら買うか迷ったわ。すげえよこれ。

 

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五冊目【宗教とアニメーション】

みつぼり:宗教のアニメーションについてをまとめた考察本。キリスト教とか仏教とか、あと創価学会のアニメとかこんなあるんだ!とか思って。体系的にこういうジャンルを俯瞰できるってのは熱いよね。宗教の教えに関する知識を持たない人達に向けて教えを広めるための方法として、歌とか絵画とか伝わりやすいものにしてきたんだと思うんだけど、それが現代においてはアニメーションになってるんだなあって考えて読むと意義深い。

さいとう:着眼点は面白いな。

いの:意外と幸福の科学の映画最新作『UFO学園の秘密』は評価高いらしいですよ。

 

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六冊目【AV業界の基礎知識 総集編】

みつぼり:AVのプロダクションに勤めてる人が、辞めてからAV撮影の一日の流れみたいなものを体系的にまとめた本が欲しいと感じて自分で作ったらしい。 内部の人間じゃないとわからない、かなりつっこんだ情報知識が満載で面白そう。

さいとう:この人コミケにも出してるらしいからね。

 

 

【5年ぶりに参加した久々の文フリの印象】

みつぼり:で、どうでした? 文学フリマ

いの:途中から飽きた。

さいとう:そうだな~。ものすごい疲労感があるっていうか、つまり目新しいものがなんもなかった。サークル数が800に増えたからといって、なにか変わるものじゃねえな。その他有象無象が増えました、ってだけというか。

いの:確かに。5年前と変わってない。というかむしろ、以前ブースを出してたノンポリ天皇みたくトガったサークルがあんまりなかったような気がした。

さいとう:参加者みんなに言えるんだけど、声が小さいよな。会話のキャッチボールが高確率で成立しねえっていうのは、ねえ。

みつぼり:出展者が僕らを含めた客に対して絡みづらさとかを感じてのかもしれないけど、それ以上にコミュ力不足はいろんな人から感じた。まあ文芸同人界隈だから仕方ないのかもしれないけどね。

さいとう:あとなんていうかすごい自給自足が出来てる界隈だよな。悪い意味でというか、内輪で循環が完成しきっているというか。

みつぼり:参加者A「面白そうですね^^ 買います^^」参加者B「ありがとうございます^^ あ、そちらのサークルさんのも面白そうですね^^ 買います^^」みたいなね。

いの:外から入ってくるお客さんがあんまりいなかったよね。

みつぼり:客も参加者も結局身内以外はいないってか、確かに5年前よりサークルはめちゃめちゃ増えたけど、たぶん身内の裾野が広がった結果の800サークルでしょこれ?

さいとう:まあそれだけ発表したい奴はいるってことだよな。それだけ読みたい奴がいるかは別として。

いの:俺らがサークル参加してた5年前はさ、もうちょっと全体の活気があった気がする。主催者がトークショーとか企画してたり。今回はそういうものもなかったし。同人界隈における文学っていうものの全体の流れをこうしていこう、みたいな心意気もどっかいっちゃったような感じで。全体のグルーヴ感もなく・・・。本当に各々が思い思いのものを販売するただの同人誌即売会の場になってしまっているというか。

さいとう:っていうかね、小説家になろう」とコラボしちゃダメでしょ。文学フリマが。そもそも、そういうところと遠くにいようっていう集団じゃないの? 「なろう」はコミケに任せておけばいいじゃん、って。

 

【話は繰り返しますが】

いの:本当にさあ、初期の頃はもっとごった煮感があった気はするよねえ。

みつぼり:今日はプロの作家というか、結構たくさん商業で書いてる作家もサークルで出展してたよね。腹括って商業で勝負しろや!ってちょっと思った。

いの:う~ん、編集さんとかに口出されないでのびのびやれたりするんじゃないの? もしくは同人でしか書けない作品があるとかさあ。

さいとう:それかプロって肩書きで文フリで無双したいとかな。でもその割にはコミケみたいな圧倒的なサークルって無かったよな。

みつぼり:奥の壁サーとかむしろ割食ってる感すらあったよね。小島アジコさんのところとか。

さいとう:あと、まーーどいつもこいつもラノベ書きてえのな!

みつぼり:個人的にはもっとみんなAVの人のサークルみたいなことやって欲しいんだけどね。

さいとう:そうそうそう。ってか、サークル参加しないで買いに来る人が同人に求めるのってそういう本じゃん。

みつぼり:「そんなおもしれえマニアックなことやってんの!?」っていうね。エアコンの配管の本とかみたいな。そういう知らなかった面白いこととかを本にして人に伝える謎の熱意みたいなのを、各サークルからもっともっと感じたかった。

さいとう:冊子は買わなかったけど見てて面白かったサークルで言うと、グルジア歴史小説とか、旧日本軍がどうのって本とか、あと幻冬舎に騙された!っていう自費出版の失敗実体験記(?)の冊子を配ってる人とか、闇が深そうでよかった。カラーの冊子をフリーペーパーとしてブン投げてる潔さに拍手を送りたい。

いの:怒りっていうのはひとつの衝動なんだねえ。あとね、本作り以外のところの話もすると、呼び込みとかも以前の方が激しかった気がする。

さいとう:その辺は800サークル集まって、2フロアになって薄まったのかもしれないけどな。だからそういう意味では懐かしいよな、ノンポリ天皇とか。取り巻きみたいなのがたくさんいて、「キチガイ小説売ってま~す」みたいなノリとかさ。

いの:俺たちが知ってる文フリはそこで終わってたのかもね。

 

 【購入する側になってみて感じた買うことの難しさ】

さいとう:あと思ったんだけど、「大学のサークル」っていう集団はあの空間だと結構上位のステータスだと思うんだよね。買ってもらえる。

みつぼり:お墨付きというか、属性がくっついてる感じはあるよね。バックグラウンドがわかるから読むほうも読みやすい。俺らの時にもいたけど、その学校の卒業生は気にかけてくれるし、今の学生ってこんなもの書くんだっていうフックで買う人もいるかもしれないし。

いの:逆にそういうサークルでもないとさ、なにかしらのコンセプトをしっかり打ちださない限り、本当に得体のしれない集団としかみれないよね。

さいとう:っていうか本当にそういう集団多かったよな。400サークルくらいはそれだった気がする。

いの:小説系のサークルはだいたいそんな感じになっちゃってるよね。

みつぼり:だから正直買いようがないって感じがあった。なにを手がかりに買ってよいやら。

さいとう:コミケと違って文芸の即売会って難しいよな。「お手にとってご覧ください」ってみんな言うけどさ、パッと中見て面白いかどうかなんて正直わかんねえよ。

みつぼり:いやもうホントその通りだわ。判断がつかないから正直物の言いようがなくて。

いの:表紙かわいいですね、とかそんなことくらいしか言えないよね。

さいとう:あと運営はサークルの前にいすを設置してくれ。マンガはパラ読みでいいけど、小説なんて立ってパラっと読んだって正直良さなんかわかんねえよ。コミケスタイルを踏襲する意味なんかなんもないんだから。文学フリマって銘打ってんだったら、文芸を選んで買うのにいいやり方を考えろやって話ですよ。

いの:その為に見本誌コーナーがあるんだけど、ブースから場所も遠いし、ブースじゃないとない品物も結構あるからね。それはいいアイデアかもね。

さいとう:あとブレスレットとか売ってんじゃねえよ。なんか文学に関係あんの?

みつぼり:それはそっとしておいてあげよう?

 

 【ロクリンシャとして自分たちも文フリに参加してみたい?】

さいとう:俺は自分の小説があの場で買ってもらえる自信は全くない。

いの:自由な感じで書いて買ってもらえるのは、学生かプロもしくはそれに近い人たちだけなんじゃないかなあ。

さいとう:極端な話だけど、例えばいま売れてる作家の・・・例えば東野圭吾?が、名前伏せて売り子雇って冊子を販売したとして、申し訳ないんだけど大して売れないと思うんだよね。立ち読みで1分か2分間しか手にとってくれないんだったらさ、結局のところ小説ってそのくらい掴めないものだとおもうんだよね。

いの:まあ確かに相当独創的な文章を書く作家でもなきゃそうなるだろうね。

さいとう:そういう場に意味はあるの?って話なんですよね。

いの:婚活の体験を小説に仕立てた本を販売してたサークルとかあったけど、アマチュアなら体験小説よりも普通にルポタージュにしてくれた方がまだ気になるわって思った。

さいとう:そう、そのルポタージュを読みたいってのはそれでいいんだけど、じゃあルポを書いて売ったとして、果たしてそれって「文学」フリマなのかな、っていうね。すげー難しいよね。やろうとしてることが。

いの:そうだねえ。うーん、どうやったらサークル参加して売れると思う?

さいとう:俺はピクシブでテキトーに良い絵師を探して、2万でも3万でも払って表紙を描いてもらう以外に手はないと思う。やりゃあ絶対売れるから!

みつぼり:買う方も選ぶ基準がわかりやすくはなるよね。

さいとう:大学生という肩書きを失った俺たちにとってはそれしか手がない。俺らを美少女化したキャラを表紙に描いてもらえばたぶん飛ぶように売れるぞ。いのは病弱なメンヘラ、みつぼりは・・・なんかうっとおしい感じの女。

みつぼり:さいとうくんはそのまま斑目晴信にすればいいね。

さいとう:じゃあロクリンシャって俺ハーレムじゃん!

いの:あと他の案として、紹介のフリーペーパーを作るっていうのはいいと思うんだよね。例えばこの座談会の内容をまとめた冊子を作るとしたら、各回の内容が紙一枚でわかるようなあらすじをまとめたペーパーとかね。

みつぼり:それいいね。冊子を読んでもらうんじゃなくて、冊子の内容を立ち読みレベルですぐ理解してもらえるってのはデカいね。

さいとう:あとちょっと俺が考えたのは、文フリ始まった瞬間に「完売御礼!」って札出しておくって手な。そんでフリーペーパーだけ配りまくんの。

いの:なんで?

さいとう:え? 「完売御礼!」って書いてあるサークルのフリーペーパーって欲しくならない? 「すいません全部売れちゃいまして~フリーペーパーだけなんですけどお~」って言いながら配りまくればめちゃくちゃ持ってってくれそうじゃない?

みつぼり:すげえ汚いマーケティング手法だな。

いの:ちょっと話がずれるかもしれないんだけどもうひとつ。実際に回ってみて思ったんだけどさ、なんか袋売ろうよ。紙袋とかスーパーの袋とかでいいからさ。

みつぼり:タダでくれるのが一番だけど、確かに売ってくれれば助かるわ。

いの:渡されまくったフリペとかの入れ物がなくて困ったから結局近くのローソンで紙袋買っちゃったもん。たぶん他の客たちも欲しがってたよ。

みつぼり:あとこれも回ってみて思ったんだけど、回る前は有料冊子よりも一人でも多くの人に手にとって貰いたいし、儲け度外視にして無料冊子にしてバラまくって方がいいんじゃないかなーって思ってたんだけど、やっぱ金出して買って貰わないとダメだな。

さいとう:(自分たちの冊子の)価値が図れないよな。

みつぼり:客として参加した今の俺らとかそうだと思うんだけど、金出して買ったものに関してはちゃんと読もうって意思があるけど、無料で配られて受け取ってしまった有象無象の冊子に関しては、悪いけど絶対まともには読まないと思うんだよね。

いの:100円でもいいからお金は払わせるべきだよねー。

みつぼり:それをこじらせると「言い値で売ります!」ってなるんだけど、正直買い手からするとそれってちょっとめんどくさいから、ちゃんと自分らで価値を図ってこっちサイドで買いやすい値段設定をしてあげるのが正解だわ。難しいけどね。ちなみになんだけど、サークル参加はしたい?

いの:俺はしたい。

さいとう:まあ俺も一回くらいはしてもいいかなあとは思うな。座談会のまとめ冊子だとして、もうちょいストック溜めてからだけどな。

いの:どうせやるんなら座談会だけじゃなくてなんか他にも企画を出していきたいけどね。

みつぼり:この次点で過半数だから、じゃあそのうち考えてみましょう。

 

【文フリはいろいろな人種のるつぼ】

さいとう:まあでも結構ねー、なんかお前マジか、みたいな人が冊子売ってる光景があちこちにあって、あれはねー。救いがない感じがしたなあ。冗談だろ?っていう、「お前、ココで同人誌売っててどうすんの?」みたいなねー。

いの:え、それどういう意味?笑

みつぼり:まあ確かになんの救いもない光景は散見されたよね。もうやめときなよ、みたいなね。言葉にしづらいんだけど、たぶんどこにも誰にも届いてないことをあそこでやってるなあって印象をちょいちょい受けた。

さいとう:たぶん、あれを地獄って呼ぶんだと思うよ。そんな闇金ウシジマくんみたいな現実見せんじゃねえよって思った。

いの:それは・・・その、そっとしておいてあげようよ。人様の自由じゃないですか。なにかしら世の中との繋がりを求めてたりするんじゃないかなあ。

さいとう:いや、前世でなにかやったんだと思うよ。その結果、たぶんあの地獄に落とされてるんだと思うけどね俺は。

みつぼり:償いなんだね。そう考えると不思議と合点がいくねえ。

 

文学フリマの今後】

いの:どうなるんだろうね。文学フリマって場がなくなることはないんだろうけど。

みつぼり:いやむしろ広がってくでしょ。

いの:サークル数が増えてるだけじゃなくて、この数年で全国各地で文フリin○○みたいな感じで地方開催されてるみたいですよ。

さいとう:発表したい奴は無限にいるからね。夢だから、書いてる人にとっての。自分の作品を製本して誰かに買って読んでもらうっていうのは。

いの:群馬出身民からすると、正直文学フリマin前橋とか100サークルも集まるのか?とか思っちゃうけどね。

みつぼり:東京から遠征で参加する人がたくさんいるんだろうから全然集まるでしょ。だってたぶん第一目標は「前橋の人たちに面白い作品を届ける」ってよりも「前橋の文フリで活動している同人界隈のサークルさん達と交流を深める」って感じだろうから、たぶん極論どこでもやれるでしょ。

いの:あー、そういう側面があるのかなあ。

みつぼり:地方での文フリ開催っていうことから読み取れる意味として、文フリが「文芸創作をしている人たちの交流の場」っていうところに帰結していってるのかなーって感じがする。逆にそれがなかったら、地方開催を草の根でやってく意味ってあんまりよくわかんないっていうか。

いの:うん。

みつぼり:おそらく文フリは、こんな面白い同人誌を俺達は作ってまっせ!って外に向かって開いていくコミケ的な場じゃなくて、例えば『アイカツ!』のオンリーイベントみたいに、それを好きな人が一日その空間に押し込められることによって交流が生まれたり深まったりするオンイベ的な場として機能しているんじゃないかって思うんだよね。文フリを例えばコミケとか、あるいは出版業界でいうところの「本屋大賞」みたいなお祭りにして外に広げていくっていうよりも、俺らの面白いものを俺らだけで回していくっていうところに移行していってるのかなーってのをすごく感じた。

さいとう:確かになあ。以前感じてた文フリとのギャップはその辺にあるのかもしれないな。

みつぼり:なんかちょっと思い出補正がかかってるのかもしれないけど、昔はもうちょっとみんなで面白いことしていこうぜみたいな空気というか一体感があったと思ったんだけどね。もう今は惰性で続けてるサークルもかなりあった気がする。まあある程度は仕方ないんだけどね。腐してますけどこの辺はたぶんいいとか悪いとかじゃなないですよ。

 

【最後に・・・】

みつぼり:じゃあみんなそれぞれ言いたいこと言ったし、最後に各々の『ミス文フリ』を発表して締める?

いの:いいけど居酒屋じゃなくて、どうせなら会場で教えて欲しかったわ。

さいとう:写真とか撮らせてもらえば良かったな。今これなんの確認のしようもないから言うだけだよ。じゃあ俺は、C-××のブースの子が一番かわいかったと思う。

みつぼり:ちょっと貰ってきたサークル一覧冊子確認するから待って。

いの:なんの時間なのこれ。笑

さいとう:C-××の子はね、地味な感じで非常によかった。次点はB-××。こっちも地味めな感じでかわいかったねー。サークル紹介には高校生ですって書いてありますね。

いの:(サークル紹介を見ながら)ペンネームが高校生っぽくていいね。

さいとう:あと最後に番外編でC-△△。これはブースでめっちゃカレー喰ってて面白かった。すごい、すーごいカレー喰ってて、なんかよかった。

みつぼり:なんかきみはかわいいの基準が歪んでるよね。

さいとう:俺が気後れしない女かどうかだから。そんなにかわいくなくていいんですよ。

みつぼり:いのさんは?

いの:いや、回ってる時にきみらに「お前のはいいよ」ってdisられてから全然確認してないんだけど。

さいとう:何でお前そんな心弱いの?

みつぼり:自分を貫けよ。

いの:・・・じゃあdisられる前に発見した子が一人いるんだけど、えーと、E-××。一人でブースにいたんだけど、なんか居場所なさげな感じでよくて。

さいとう:そーなんだよな!! あの会場でさあ、一人で寂しそうにしてるだけで3割増しぐらい良く見えるよな!

いの:で、ブース撤収する時間にその人のサークルに立ち寄ってみたんだけど・・・

さいとう:あ、それすげーフェチズムお前! それわかるけど!! 撤収シーンはお前それすげえよ。やばいよ。

いの:いや別になんか狙って行ったわけじゃなくてたまたまなんだけど、その人の撤収をお母さんくらいの年の女性が手伝ってて、なんか最後まで男っ気ない感じがすばらしかった。

さいとう:その撤収みれたのはすごい良いな。販売中は別に座ってりゃあいいだけだけど、お前、撤収シーンは自発的に行動しなきゃいけないじゃないですか。これはすごいですよ。

いの:あ、あの子歩けるんだ、みたいなね。

みつぼり:www

さいとう:いのは本当に変態だなあ。俺は間に合わなかったよその思考。そうか・・・最後はミス文フリの撤収シーン見に行かなきゃいけなかったんだな・・・。

みつぼり:ひとつだけ確かな結論が見つかってよかったね。

 

 

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というわけで今回の座談会、文学フリマ全力レビュー!!!!!!!回はこんな感じです。5年前の方が活気があったとか、昔の方がカオスで良かったとか、そんなことばっかり何度も繰り返していますが、何度も繰り返したくなるくらい僕らが感じた正直な感想なんだろうなあと思い、カットせずにあえて盛り込みました。

 

座談会全体として文フリdisが多めのような気がするので、まあ一応誤解のないように申し上げておきますが、僕らの基本的な考え方としてああいう即売会はもちろんあってよいと思うのです。特に、ケチはつけてますが参加されている方々は思い思いのものを発表して世の中にぶつければいいと思います。運営に止められない限りはブレスレットもじゃんじゃん売りましょう。

 

ここからはあくまで僕の個人的な意見ですが、ひとつだけ最後に申し上げるとするならば、主催側といいますか、運営されている側は『文学作品の展示即売会』を銘打ってその界隈の最大イベントとなってしまった文学フリマを、これからどのように舵取りしていくのか、よーく考えていって欲しいなあと思った次第でございます。みんなで作る文フリですが、ガワというか、展示即売会のパッケージはあくまで主催側が作るものだからねえ。これからも、よりよいものにしていって欲しい。

 

文学フリマ・文フリで検索してこの記事に辿り着いた人はとりあえず一度行ってみて、自分の目で感じてみると良いと思いますよ! 特に撤収シーンは見ものやで!!!!

 

(文責・みつぼり)

座談会:『はじめてのピンク映画!』後編

前編はこちら。

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上野の興奮も冷めやらぬ中、シネロマン池袋にやってきました。

―『強制飼育 OL肉奴隷』inシネロマン池袋―

あらすじ:TVのニュース番組は、若い男性が元交際相手へのストーカー行為で逮捕されたことを告げている―。交際を始めてから5年、フィアンセと同棲中のOL・由美子だったが、彼氏だけでは飽き足らず、社内不倫も愉しんでいる。しかし、その現場を普段から折り合いの悪い同僚の佐藤に見つけられてしまい・・・。

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近代的な上野オークラ劇場に比べると、シネロマン池袋は外観も内部も昭和の空気を残しており、長い時代を生き抜いた歴史を感じさせます。元々は日活の直営映画館だったのですが、2008年に経営撤退。それ以降は、別の会社が経営を続けているそうです。

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上野と違い、こちらはイベントもないのでロビーも閑散としています。

劇場内に入ると、観客は全体で20人くらいでしょうか。大半は落ち着いて後ろの方で映画を見ていますが、おもむろに立ち上がっては周囲を物色してまわる方々も数名。私の目に映った限りでは、その場で自分を慰めだす中年男性と、老人男性2人組が互いの老人男性を口に含んでいると思しき様子が見えた以外、いたって淡々と上映時間が過ぎていきました。なお、さいとうとみつぼりはそういった光景すら目に入らなかったようです。

さいとう:すっごく、平和だったな・・・。

 

-夜。池袋の居酒屋にて-

<ピンク映画どうでした?>

さいとう:さて、ピンク映画館をハシゴしたわけですけども、どうでしたか。

いの:うーん・・・遅かれ早かれ、ピンク映画は滅ぶわ。

さいとう:まあ、そうだよなあw

みつぼり:シコるんならAVがあるしさあ。映画はあれで1800円でしょ?

いの:まあ、本来3本立てのところを、俺らは1本だけ見て出てきちゃったからさ、コスパ的には実際もう少し割安だけどね。

みつぼり:それでも、1本600円じゃん。AVだってレンタルならせいぜい300円ってとこだよ。

いの:そうだね。一般の映画とレンタルソフトの関係で言えば、劇場の大画面で体感することに意義があるからってことで、映画館代とレンタル代の差にみんな納得してると思うんだけど、ピンク映画は別に劇場の大画面で堪能しなくていいじゃん。

みつぼり:画質もショボかったなぁ、特にシネロマン池袋の方。HD画質のAVなんて今時ごろごろ転がってるんだからさ、それに対してどの要素で勝負できるんだよって話だよね。

さいとう:まず、その場で抜けないってところで、どうしてもAVよりも劣るんだよな。だから、ピンク映画館の改善点としては、その場で抜くためのバックアップ体制を強化する。

みつぼり:肘掛けのコーラ置くところの代わりにティッシュ置けますみたいな?w

さいとう:そうそう。おしぼりとかも付いてて。

みつぼり:女の子も入ってきてね。

いの:4DXじゃん。

さいとう:そこまで行くと違うサービスになっちゃうけど、家でシコれない人が、ここなら気楽にシコれるっていう場所に作り替えていった方がいいよ。

いの:それは今は、個室ビデオ店が果たしてる役割なんじゃない?

さいとう:ああー、確かにそうだなあ。

みつぼり:(ピンク映画は)消えゆくものですよ。遅かれ早かれ。というかね、AVと比べた時にワクワク感が全く無いんですよ。AVの場合は、女の反応は演技なのかもしれないし、本物なのかもしれないし、少なくとも何割かは本物の反応が混じっているかもしれないっていうワクワクがあるじゃない。

いの:それな。

みつぼり:ピンク映画の場合は、明らかにこの潮吹きは嘘で、このフェラも嘘でって分かるクオリティの低さだからさ。「これ、もしかして本気で感じてんの!?」みたいなワクワクが皆無だよね。つまんねえ作り物やってんなあと思いながら観てた。

いの:そこらへんは、今のAVがピンク映画全盛期の時代の水準と比べて、あまりに過激になってて俺らの感覚がマヒしてるところでもあるよね。ある意味、全編演技っていうのは、ピンク映画が「映画」として譲れないところとも言えるのかもしれない。

 

<【上野オークラ】1本目の映画「つちんこ」どうでした?>

さいとう:まあ・・・独特ではあったよね。舞台挨拶でも、いまおかしんじ監督の「いまおかワールド炸裂」だ、なんて言われてたけど。

いの:確かに、普通のAVでは見れない世界観ではあるけども。あれでなんちゃらワールドとか言われて褒められるんなら楽なもんだよね。支離滅裂な話を支離滅裂に撮ってりゃいいんだもん。

みつぼり:あんなん俺でも脚本書けるわ。ツイッターで宣伝見たら「摩訶不思議」とか書かれてたけどさ、便利な言葉使ってんじゃないよ!

さいとう:あれを1時間、シークバーもない劇場で観させられるのは拷問でしかないよね

いの:日活ロマンポルノと違って、金が無いのは分かるけどね。だから映像レベルが上がらないのは仕方ないけど、脚本はいくらでも練れるでしょ。観客があれで良しとしてるんだったら、ピンク映画は本当に終わりだよ。客も作り手も現状で満足してるなら、良くなる余地が無いでしょ。本来なら舞台挨拶でブーイングが起きるべきだよ

さいとう:監督も心の中ではさ、「なんだよお前ら、怒れよこんなクソ映画観せられてよ! バカな客しかいねえのか!」って思ってるかもしれないよな。

いの:何をみせてもリアクションが変わらないなら、創作意欲も死んでいくよな。

さいとう:30年前はもう少し、ちゃんと映画を志してた熱い青年だったのかもしれないけど。

みつぼり:(今岡監督)枯れてたよね。

さいとう:ふてくされてたよ。

みつぼり:出涸らしだった。

 

<【池袋シネロマン】2本目の映画「強制飼育」どうでした?>

さいとう:いやー酷い。「つちんこ」の方がまだマシだった。

いの:あんまり変わんないと思うよー。どっちもどっち。

さいとう:しょんべん飲むシーンとか必要か? ていうか、「つちんこ」もこっちも、男優の演技のレベルが酷いよな。

みつぼり:出演者は役者なの? 役者ですらないんじゃない?

さいとう:それこそ、ニコ動とかで流行ってる「真夏の夜の淫夢」系動画の男優陣と同レベルってどうなの?

みつぼり:セリフもとりあえず嚙まなければ一発OKって感じの出来だったよね。 

いの:(あのレベルの人に演技させるくらいなら)そこらへんの金に困ってる劇団員とか役者の卵とか、いくらでも安く呼べるんじゃないのって思うんだけどね。そこまでケチるんだったら映画なんて撮るんじゃないよ。森田芳光監督は実家を抵当に入れてデビュー作撮ったんだぞっていう。

 

<今後、ピンク映画はどうすればいいんでしょうね?>

さいとう:あのでっかいスクリーンで上映されてる映画より、質のいいオナネタがたくさんスマホに詰まっちゃうわけで。それどころか今やVRの時代ですよ。

みつぼり:そうだねえ。

さいとう:過去、ピンク映画やポルノ映画に素晴らしい作品があったというのは、これからも語り継いでいけばいいと思うんだけど、それとピンク映画館の灯を絶やすなって話は別でさ。やっぱり、現在のピンク映画は絶えるべくして絶えていくものだと思いますよ。

みつぼり:生き残りたいなら質上げろやとしか言えないね。

さいとう:撮っていいなら1本撮ってみたいね。300万で4日間、どうしよっかなあ。

みつぼり:今日のよりはもっといいもの撮れる自信あるわ。

さいとう:例えばさ、60年代末の日活みたいに、今大手映画会社がピンク映画に参入したら何か変わるのかね?

いの:東宝が製作して、全国のTOHOシネマズで上映とかね。それで言えば、新宿武蔵野館みたいなミニシアターで「ロマンポルノ・リブート」っていう、園子温やら行定勲やらが日活ロマンポルノ的なものを現代に蘇らせる企画をやったばっかりだけど、結局それと同じようなものが出来上がるだけじゃない? 

さいとう:文芸路線的な?

いの:そうそう。言ってみれば、今さらポルノ映画・ピンク映画の名を冠して、一般の映画会社が映画作る必然性って無いわけで、だって一般映画で過激なエロ描写なんていくらでもあるじゃん。R―18でレーティングしたら、昔なら成人映画館で過激なタイトル付けなきゃいけなかったような映画が普通に上映できちゃうわけだよ。

さいとう:ドキュメンタリーで観たけど、70年代はロマンポルノ裁判っていう、ロマンポルノは猥褻か否かみたいな裁判まであったんだから、その時代に比べたら表現の自由度が広がってるわけだよね。裁判にかけられた映画も、今観たら大したことないんだろうしね。

いの:そういう裁判も経て、当時のポルノ映画やピンク映画が切り開いてきた道ってのは確かにあって、それが今に繋がってるんだと思うけど、だからこそね、すでにその役割を果たした2017年現在にその存在意義をどう見出だせばいいのかに難渋してるわけだけどね俺達はw

 

<そろそろまとめに入りましょうか>

いの:でもね、今日いいなあと思った瞬間があってね。上野オークラ劇場の舞台挨拶で、みつぼりが2階で遭遇した人達もそれを見に来てたって言ったじゃん。

みつぼり:いたいた。

いの:映画の上映中におっぱじめてる人達が、その時だけ降りて舞台挨拶を見てるわけだよ。最後に女優さんとのじゃんけん大会をやったけど、2階にいた人が優勝してポスターをゲットしてたんだよね。劇場のアシスタントのお姉さん(このお姉さんもピンク女優)とハイタッチして嬉しそうでさ、映画なんてろくに観ちゃいないくせにさ。でもあの光景は、なんだかすごく温かいものに思えたんだよなあ

みつぼり:あー・・・。

いの:本当にただのハッテン場としてしか考えてないなら、1階に降りてくる必要なんてないんだよ。

さいとう:それは確かにそうだわ。

いの:でも舞台挨拶をちゃんと聴きに来るっていうのは、あの人達の中に上野オークラ劇場っていう場所に対するリスペクトがちゃんとあるんだなって思えたんだよね。あの劇場を必要としているからこその行動だったと思うし、誰かの大切な居場所になってるんだったら、できたら無くならないであげてほしいって思えたんだよね。

さいとう:ゲイの人の居場所ってのは分かるんだけど、じゃあ1階にいたノンケの人達はさ、何を求めて劇場に来てるんだろうね。常連っぽい感じの人とかいたもんね。

いの:時間つぶしならもっとマシなもんがあるだろうと思うけどね。

みつぼり:趣味のないやつが外でやることっていうと、パチンコとか競馬とかメダルゲームとかあるだろうに、あえてピンク映画かあ。

さいとう:普段何やってんのあの人達。

みつぼり:舞台挨拶でカメラ構えてた人達はまだ分かるんだけどね。ソフマップとかのイベントにも来るようなカメラ小僧が劇場まで追っかけて来てるんでしょ。それ以外の、ほんとにただ座って映画観てる人達はねえ、不思議だよねえ。

いの:ピンク映画全盛期からの習性で足を運んじゃう、みたいなのがあるのかな。そこでしか会えない仲間がいて、馴染みの店みたいな感じで通ってしまうのかもね。

さいとう:そういう人達にとっては、ピンク映画館が心の拠りどころになってるんだろうねえ。

いの:という感じで締めますか。誰か、他に何か言っておきたいことはある?

みつぼり:やっぱり君ら2人もさ、次は上野オークラ劇場の2階を体験してみるべきだよ。

 

ーーーー

 

さてさて、いかがでしたでしょうか。

我々3人にとっては、残念ながらあまり響かないピンク映画体験となったわけですが、ピンク映画に精通されている方々からすれば、何にも分かっちゃいないと言いたくなるような座談会だったかもしれません。気に障るようなことも喋っているかもしれません。所詮通りすがりの戯言なので、そこは大目に見ていただけると・・・と思います。

誰かにとっては取るに足らないものが、他の誰かにとっては、何物にも代えがたい宝物であることがあります。ピンク映画も、今やそういうものなのだろうと、上野オークラ劇場の舞台挨拶で、ハッテン場である2階から降りてくる人々を見た時に感じました。私とは平行線の世界にいる人々の、ここは大切な居場所なんだと思うと、どんなにろくでもない映画ばかり流していようと、必要としている人がいる限り、できれば消えないで頑張ってほしいなと、切に願うのでした。でも本当に、作り手はもうちょっと本気で映画作ろう?

 

(文責:いの)

座談会:『はじめてのピンク映画!』前編

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昭和の時代、一世を風靡したピンク映画も、いまや都内では常設の上映館を2館残すのみとなった。平成も終わろうとしている今、かろうじて灯っていたピンク映画という火が、消えかかろうとしている。
僕たちは、ピンク映画館に行ける最後の世代になるかもしれない。
多様化するエロを謳歌してきた僕たちに、かつて覇権を握ったエロ・レジェンド、ピンク映画はどう映るのか。
そこにあるのはきっと、在りし日へのノスタルジーだけではない。僕たちが知らなかった、4DXを超えた映画体験が、そこにあるかもしれない
1月の凍える街に、愛の灯火を求めて集う男たちと共に、僕たちロクリンシャは何を見る。

 

ということで、新年最初のロクリンシャ座談会、テーマはピンク映画! ロクリンシャメンバーは一応みんな20代なので、性に目覚めた頃からすでに、簡単に無修正エロ動画にアクセス可能な世界が広がっていました。その一方、成人映画館はと言えば、都内に限っても2012年には浅草世界館・浅草シネマ、2014年には新橋ロマン劇場、2016年には飯田橋くらら劇場と閉館が相次ぎ、最後に残ったのは上野オークラ劇場とシネロマン池袋の2館のみという現状。これは急がないと、「ピンク映画を成人映画館で観る」という体験が過去のものになる恐れがあります。今回はその現存する2館にお邪魔しました。

 

潜入レポの前に、簡単にピンク映画・ポルノ映画についてお勉強しましょう。詳しくはwikiを参照してもらいたいのですが、大手映画会社によって製作された劇場上映作品を「ポルノ映画」、独立映画会社によって製作された劇場上映作品を「ピンク映画」と呼ぶそうです。

ポルノ映画で有名なのは、やっぱり日活が1971年から1988年まで制作した「日活ロマンポルノ」でしょう。他にも日活に先行して東映が、1960年代後半から1970年代末頃までポルノ映画を製作しています。テレビ等の新しい娯楽に押され、興行の伸び悩んでいた当時の映画業界が、起死回生の手段としてポルノ映画の製作をはじめたわけです。特に経営難に喘いでいた日活は、一般映画の製作をほとんどストップし、ポルノ映画に社運を賭ける方向に舵を切りました。“10分に1回絡みのシーンを入れる”、“低予算”、“70~80分の尺”という制約を守れば、自由度の高い映画表現が許された制作体制は、クリエイターの創作意欲を刺激し、数々の名作を誕生させ、また多くの著名な映画監督を世に送り出したのでした。

一方、ピンク映画は、 ポルノ映画より以前の60年代前半頃から中小規模の映画会社が製作しており、当然大手映画会社の製作したポルノ映画よりさらに低予算(「300万円で撮影期間3日間」が一般的だという)で製作されています。前述のとおり、ポルノ映画は日活ロマンポルノの終了により1988年に幕を閉じていますので、それ以降現在に至るまで新作が作られているのは、このピンク映画の方というわけですね。

事前課題として、ロクリンシャメンバーには日活ロマンポルノ作品『(秘)色情めす市場』(1974年)と、NHK制作のドキュメンタリー番組『アナザーストーリーズ 運命の分岐点「ロマンポルノという闘い 日活・どん底からの挑戦」』を観てもらいました。

(秘)色情めす市場 [DVD]

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さいとう:ビールぶっかけながらヤる場面で一応勃った。このシーンでクールなヒロインがはじめて嫌がってたのが良かった。

みつぼり:ロン毛の兄ちゃんが爆発するシーンで理解が追い付かなかった。こんなの雑念多すぎてオナニーできないよ!

 

 イノは他に以下の3本も鑑賞。

ラブホテル [DVD]

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セーラー服と機関銃』『台風クラブ』の相米慎二監督作。 80年代半ばの都会的な空気感がたまらない作品です。ちなみに80分くらいの尺で、まともにエッチシーンと言えるものは2回くらいしか無かったと思うんですけど、すでに実績のある監督だから許されたんでしょうかね。

宇能鴻一郎の濡れて打つ [DVD]

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 平成ガメラシリーズや『デスノート』の金子修介初監督作品。一言で言えば『エースをねらえ』のエロパロディです。これ、全編パワーワードに満ちててめっちゃくちゃ面白いですよ。平沢進みたいなコーチがヒロインの腰のバネを鍛えたり、脱水症状を肉棒注射で治療したりと、見ごたえのある熱血指導が繰り広げられます。笑いだけじゃなくてちゃんとエロいのも良いです。

Mr.ジレンマン 色情狂い [DVD]

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主演が若かりし頃の柄本明。ヒーローモノらしく、真似したくなる名乗り口上がしっかりあるのが良いです。家族内でのカースト下位のお父さんの悲哀に満ちたお話なんですが、後年の『逆噴射家族』とかも少し連想しますね。

 

さて、予習してきたのが往年の日活ロマンポルノで、実際に鑑賞するのが現代のピンク映画なので、本題と事前課題とで少々ズレがあったりはするのですが、ロマンポルノも3本立て上映の1本は他社から買い付けたピンク映画だったそうですし、そこはまあ、あまり気にしないということで。

 

 -1月28日(土) 昼 上野にて-

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みつぼり:いの君、今日のスケジュールの説明を。

いの:はい。えー、まず上野オークラ劇場で『感じるつちんこ ヤリ放題!』を舞台挨拶まで鑑賞、その後シネロマン池袋で『強制飼育 OL肉奴隷』を鑑賞します。

みつぼり:『つちんこ』楽しみなんだよね。頭悪そうでさ。

いの:一応、事前情報で2人にも伝えてたけど、ピンク映画の劇場は今や、ゲイの方の出会いの場になっているそうなので、純粋に作品鑑賞できる空気かは分からないからね。

みつぼり:うん。だから俺、何があってもいいようにと思って、一応朝シャワー浴びてきてるから

いの:さすが、仕上げてくるねえ。

さいとう:3年後に路上で体売ってるみつぼりと再会したくないよ俺は。でも上野オークラ劇場は、今日は舞台挨拶があるから、純粋に女優目当てのノンケが多いんじゃないの?

みつぼり:本当に? ハプニングバーみたいな感じになってない?

いの:でもまあ、状況に流されるなら流されるでアリ。そのあたりは互いに見て見ぬフリをするってことで、「このまま最後までいいかな」って判断ならそれはそれでいいと思う。

さいとう:何を言ってるんだ。

みつぼり:いやいや、分かりませんよ、こればっかりは。

 

ー『感じるつちんこ ヤリ放題!』in上野オークラ劇場ー

あらすじ:滝を見るために山奥までやって来たタクシー運転手の一郎(櫻井拓也)と妻の園子(涼川絢音)。しかし道に迷ってしまい、とうとう野宿するハメに。ところが一郎がツチノコらしき怪生物に襲われて瀕死の状態になってしまう。園子は何とか助けを呼ぼうとするのだが・・・


映画 『感じるつちんこ ヤリ放題!』 予告

 

そんなわけで、上野オークラ劇場にやってきました。

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入場すると、ロビーの雰囲気は映画館のロビーというよりも・・・

みつぼり:ピンサロの待合室に来たみたい。

確かに、お客さん達も心なしかそわそわした感じで、映画を楽しみに来たという様子ではなさそうな気も。

料金は一般1,600円で、3本立ての入れ替え無しでの上映。毎日オールナイト上映なので、その気になれば朝から翌朝まで入り浸ることもできます。

料金表の中に、見慣れない表記を発見。「2階席2,000円」。2階席・・・?

みつぼり:せっかくだから3人で2階席行かない?

いの:あの・・・たぶん2階席っていうのはさ、いわゆるハッテン場なんじゃないかと思うんだよね。

みつぼり:ああ、そういうこと!? 分かんないじゃん、1階がハッテン場で2階がマッタリ見たい人用かもしれないよ?

いの:どうだろう・・・

さいとう:まあ、どっちにせよ普通にただ映画観てる人もいるんじゃね?

真相を確かめるために、じゃんけんで負けた人が2階席に行くことに。結果、言い出しっぺのみつぼりが潜入することになりました。

 

<1階>

いのとさいとうは1階席へ。劇場内に入ると、予想以上に広く、8割近く席が埋まっているという盛況ぶり。しかも、なぜか立ち見客が非常に多い。上映中も私語が多く、こんなに落ち着かない映画鑑賞体験ははじめてでした。客層は主に中年~老齢の男性。一部に中年カップル(?)の姿も。通い詰めている馴染みの客が多いのか、なんだか不思議とアットホームな空気も流れているように感じました。噂に聞いていた、カップル(男×男含む)がおっぱじめるみたいなことは無し。

 

<2階>

2階席に向かったみつぼり。以下、LINEでの実況中継です。

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あとで知ったのですが、どうも2階席は女人禁制になっているそうです。やっぱり、2階はそういう目的のための場所だったみたいですね。最初は怖がっていたみつぼりも、さすがの適応能力で最後は相手を受け入れる姿勢を見せたのは、映画以上にドラマチックでした。

 

ノンケ向けの舞台挨拶を終え、山手線内で興奮ぎみに2階での体験を語るみつぼりと僕たち一向は、次なる劇場、シネロマン池袋へ向かうのでした。

 

つづく

 

(文責:いの)